バレル研磨は、回転体(回転バレル)または振動体内(振動バレル)に加工物、研磨剤およびコンパウンドを入れ、自動的に研磨を行う方法で、精密機械部品、複雑な形状の部品など比較的小物製品の研磨に用いられています。きわめて能率がいいことからも、自動化・省力化の面からも普及してきました。
回転式バレル研磨は、タンブリングバレル(樽)の中で、研磨材と加工物を比較的早い速度で回転して、【図1】に示すように加工物の上層部が回転の方向とは逆にずり落ちて、すべり層をつくり、このすべり層が循環して、全体の加工物を均一に研磨する方法です。
バレルの回転数により、すべり層の形成が異なってくるので研磨量も変化します。通常研磨用としては30~40rpmがよく、光沢仕上げには15~20rpmがよいといわれています。一般にバレルの内径をD [m]、装入量をバレル容積の55%とすると、研磨状態との関係は、【表1】のようになるといいます。
【表1】バレルの回転数と研磨状態
|
回転バレル研磨には、水平型とトリップル型があります。トリップル型は側面の作用効果から名付けられたといいます。【図2】に、回転バレル中の加工物の流動を、【図3】に、両者の外観を示します。