[2024/1/18公開]
Question
メッキ予定のタップ加工の対処方法は?
メッキ予定の部品にタップをたてるのですが、タップ後にメッキをするのでねじが入らなくなるのではと懸念しています。どのような対処方法があるか教えてもらえますか?
Answer
オーバーサイズタップのご使用をおすすめします
メッキ加工をするとメッキの厚み分だけねじ径が細くなります。タップ加工した穴にねじを取り付けてメッキをすることで、ねじ部にメッキが施されずねじが細くなることがありません。
その場合、ねじ部はメッキされないので、目的に合わないケースがあります。その時はあらかじめメッキ厚を見込んだオーバーサイズタップを使用することで、メッキ加工後でもねじが入らないことがなくなります。
【オーバーサイズタップとは】
標準精度等級より1ランクか2ランク外径サイズが大きいタップです。標準精度等級やオーバーサイズランクはタップメーカー各社で表記が異なり、また同じメーカーでも商品シリーズやサイズにより推奨値が異なりますので、メーカーカタログ値をご参照してください。
オーバーサイズ量は、メッキ厚の4倍大きなサイズにします。例えば10μmのメッキ厚を施す場合では、標準精度等級より40μm大きいランクのタップを選定します。
【オーバーサイズタップの寸法例】
代表的な例を以下に掲載しますのでご参照ください。ねじ径やタップ刃先形状により、標準精度等級とオーバーサイズは異なりますので、詳細はメーカーカタログをご確認ください。
例 M10の場合
オーエスジー
標準精度等級OH3に対し、オーバーサイズOH4は+20μm、OH5は+40μm外径が大きい。
彌満和製作所
標準精度等級P3に対し、オーバーサイズP4は+20μm、P5は+40μm外径が大きい。
不二越
標準精度等級P3に対し、オーバーサイズP4は+20μm、P5は+40μm外径が大きい。
【オーバーサイズタップのその他の用途】
タップ加工後の焼入れ処理を行う場合、ねじサイズの収縮により入らなくなる場合があります。その場合の対策として、あらかじめオーバーサイズタップを使います。