Question
ドリル加工のステップ量を教えて
ドリル加工でステップ量を設定しようとしているのですが、明確に記載している資料がありません。
どの程度の値で入れればよいでしょうか?
Answer
目安値を基準にステップ量を設定していきます
すべてに当てはまる定性的なステップ量というのは無く、目安値を基準に作業効率とトラブル回避のバランスで決めます。
ステップ加工のポイント
ステップ送りは切りくずがからまない、もしくはつまらないようにするためですが、それは被削材の種類、切削条件、刃形状、切削油で変わるので、すべてに当てはまる定性的なステップ量というのは無く、あくまで目安となります。
例えば鋳鉄、真鍮などは、キリコが細かく分断されますので、ステップ送りは不要です。
また、アルミなどはキリコがつながりやすく、振り回すと加工物が傷だらけになるばかりか、事故の原因にもなります。
加工硬化しやすいSUSなどは、ステップを入れすぎるとドリルの刃の摩耗を促進してしまうので、摩耗とキリコ詰まりによる折損防止のバランスは、難しいところではあります。
図1 ドリル折損のイメージ
上手の様にからんだまま奥まで加工すると、加工物に傷が付きまたドリルの折損にまで至ります。
ステップ量の目安値
上記を勘案した上で、ステップ量の目安は刃径3mm以上の場合、深さ3D程度まではノンステップで、3D以上からは深さ1~2Dごとのステップを基準として、作業効率とトラブル回避のバランスを考慮し改善していくのをおすすめいたします。
また、刃径3mm未満は芯厚が細く折損しやすいので、深さ0.5Dごとのステップが目安です。
図2 刃径3mm以上のステップ量
図3 刃径3mm未満のステップ量