[2023/11/28公開]
Question
焼入れ前のタップ加工の留意点を教えて
タップ加工後に焼入れを行ったところ、ボルトが入らないことがありました。そうならないタップ加工時の留意点や対処方法を教えてほしい
Answer
焼入れなどの熱処理は、材料の結晶構造が変わる相変態の収縮や材料生産時の残留応力により、めねじの径やゆがみを発生させる場合があります。熱処理でめねじが寸法変化する対処方法を以下に記載していますのでご参照ください。
熱処理後のめねじにボルトが入らないほどの寸法変化するケースは少ないのですが、諸条件によりまれに発生することもあります。めねじの寸法変化は穴位置、材質、熱処理の仕方などで異なり、事前に定量的に求めるのは困難ですが、対処方法としては主に4つあげられます。
①熱処理後に寸法変化してボルトが入らない場合、超硬タップで再加工を行う。
②熱処理前に下穴をあけ熱処理後にタップ加工を行うことで、ボルトが入らないリスクが低減する。
③熱処理前にオーバーサイズのタップで加工することで、ボルトが入らないリスクが低減する。
④被削材種によっては、あらかじめ熱処理の影響を防止する熱処理防止剤をネジ部に塗布してネジ部の過度な高硬度化を防止することで、ボルトが入らないリスクが低減する。