ツーリングの主なシャンク規格

Question

ツーリングを選定するとき、シャンクの規格がBT、BBT、NBT、WBTなど似たようものがあり、自分の工作機械に取付くかどうか選定に迷っています。

Answer

基本的には同じ規格の同じサイズから選定します。同じ規格でしたらメーカが異なっていても互換性があります。
また、異なる規格でも中には互換性があるものもありますので、違いを十分理解したうえでご選定下さい。
選定の参考になるよう、それぞれの規格の特長などをまとめて下記に掲載します。

BT規格

特長

主な使用加工機：マシニングセンタ
テーパー：7/24、プルスタッドボルトを引込み機構で引き上げて固定

表1　BTシャンクの主な寸法

類似規格

2面拘束タイプにBBT、NBT、WBTがあります。2面拘束タイプはプルスタッドボルトを引き上げることで、主軸端面とツーリングのフランジ面が密着します。
BT規格の主軸には取付けられますが、主軸とのスキマ設定値がそれぞれ異なります。2面拘束として使用する場合は、それぞれの主軸規格に合わせて下さい。また、NBT-AHO、WBT-AHOは中空軽量化されています。

JBS規格

小型工作機械用にJBS規格があります。
BT規格同様、テーパー7/24、プルスタッドで引き上げるタイプです。JBS規格は、BT規格に分類されて、カタログに掲載されている場合もあります。

表２　JBS規格シャンクの呼びとシャンク基準径

呼び	5T	10T	15T	20T	25T
D2	12.7	15.875	19.05	22.225	25.4

HSK-A規格

特長

主な使用加工機：マシニングセンタ
テーパー：1/9.98（テーパー片角2°52’05”）
中空構造で比較的軽量
テーパー部とフランジ面の2面拘束
ドライブキーによりトルクを伝達
工作機械のクランプ機構により、シャンク中空構造内面から固定

呼びは「HSK+フランジ部径+A」になっています。

• HSK32A
• HSK40A
• HSK50A
• HSK63A
• HSK80A
• HSK100A
• HSK125A
• HSK160A

その他のHSK規格

ドライブキーの位置違いまたは有無、フランジサイズと形状違いなどで、下記の規格もあります。

• HSK-B規格
• HSK-C規格
• HSK-D規格
• HSK-E規格
• HSK-F規格

CAPTO規格（ポリゴンテーパシャンク）

特長

主な使用加工機：複合加工機、マシニングセンタ、ターニングセンタ
マシニングとターニングを共用できるシャンク
テーパー：約1/20（テーパー片角1°26’21”）
テーパー部とフランジ面の2面拘束
ポリゴンテーパ（三角おにぎりのような形状）によりトルクを伝達

表３　ポリゴンテーパシャンクの呼びとフランジ径

NT規格

特長

主な使用加工機：汎用フライス
テーパー：7/24、引きねじで固定
引きねじにはメートルねじとユニファイねじ、ウィットねじ仕様があります。

表４　NTシャンクの主な寸法

MT規格

特長

主な使用加工機：卓上ボール盤、直立ボール盤
下図はタング式。主軸側へ強く挿入して固定。
外すときはタング部をドリルドリフトで叩いて外します。

表５　MTシャンクの主な寸法

この他に、MT規格には引込みねじ式もあります。

その他（JT規格）

特長

主な使用加工機：ドリルチャックを取付けるアーバーなどに使用されています。
JT0、JT1、JT2S、JT6、JT3、JT4などのサイズがあります。

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