焼きばめホルダ導入の際に注意すべき点

Question

焼ばめホルダの導入を検討しています。これまでコレット式のホルダを使用してきたため、焼ばめホルダの導入に際してトラブルが発生しないか心配しています。新規導入にあたって注意すべき点について教えてください。

焼ばめホルダで使用するには超硬工具が最適です。
ハイス工具は、熱膨張率がホルダ材質と近いため焼きばめ時間が長く、工具着脱が難しくなりますので、ご注意ください。

焼ばめホルダは外周がスリムで、ワークへの接近性に優れており、全長の長い工具は不要です。必要以上に全長の長い工具ではビビリ発生による加工精度低下が懸念されますので、市販されている焼ばめホルダ専用工具を選定することをお勧めします。

焼ばめ用エンドミル使用例

工具保持長さは、コレットチャック方式に比べ、短くても十分な保持剛性が得られます。ホルダへの挿入長さが長すぎると、ホルダ内部の振動によりビビリが発生したり、工具がホルダ内部で損傷するなどのトラブル発生が懸念されます。焼ばめホルダに設定されている最大挿入長を守って加工することが大切です。

最大挿入長

鉄に発生する錆は「水分」「空気（酸素）」が存在すれば発生します。防錆することにより「水分」を取り除くか、又は「金属」に「空気（酸素）」が直接触れないようにすると錆の発生は防げます。

【お手入れの方法】

使用後はエアーで「水分」を飛ばしてください。特に、孔の奥、フラッシュ型の細い孔の中などは十分にエアーを吹き付けてください。洗い油や洗浄機で洗浄した後にエアーを吹くと効果的です。
焼ばめヒーターで加熱し、刃物を取り外してください。
クリーニング後に防錆油をスプレーするか、又は防錆油の中に浸け置きをしてください。
焼ばめをする前には、ホルダに付いた防錆油を十分落としてから使用してください。油を落とすには、クリーナースプレーや溶剤が便利です。