概要
搬送ローラ機構のローラ部配置案(3種類)を比較して、ローラ搬送方式の特徴解説を行った。この事例より、搬送機構設計の検討課題に対する駆動方式選定の実践力を向上できる。
解説
1)ローラ搬送機構の設計への応用
ローラ搬送機構は、搬送ローラ部とそれ以外の機構部で構成されるが、ここでは3種類の搬送ローラ配置案(図1)について解説する。
A)案・・独立した2列の搬送ローラの場合(図1-a)
- ガラス基板のたわみ変形にバラツキが大きい場合やOリングに偏磨耗が生じると、基板とローラの接触が不安定となり搬送方向が曲がりやすくなる。
- 両端の搬送ローラをメイン、中央の搬送ローラをサブとなるよう材質やローラ径を設計し搬送安定化させることが考えられる。
B)案・・独立した3列の搬送ローラの場合(図1-b)
- A)案の薄板基板のたわみ変形の影響を抑えるために基板を3列のロールで支持搬送する構造である。
- 摩擦力を伝達するゴム製Oリングをロール外周に採用することで、摩擦係数の増大と安定化、更にメンテナンス性の向上が期待できる。
C)案・・1個のリングで連結された3列の搬送ローラの場合(図1-c)
- 基板と接する3本のOリングの違い(摩擦係数に関連するもの)を直接受ける、部品加工費が高くなる、また組付け工数やOリングの張力安定のためのメンテナンス工数が増えるなどの課題が挙げられる
3種類の比較では図1-b)案が薄板軽量化のガラス基板の搬送には好ましい。