セットカラーは、シャフトや円形支柱などの円筒形状の位置決めに便利な部品です。ここではシャフトの停止位置決めの使用事例を紹介します。
事例1(【図1】の場合)
ダンパ付セットカラーによる、シャフトストッパ機構について解説します。
- この事例は、1本のシャフトによる直動機構のシャフト部を2本構造にしたもの。(「シャフトも用いた直動機構(シャフトの使用事例)」内「1本のシャフトによる直動機構の構造解説」参照)
- 事例はカバーの開閉機構のため、シャフトと直動軸受けには無理な力がかからないものとして設計。
- シャフトは取付けに必要な最小限の軸端加工品:片端めねじタイプを選定。片端めねじに締めこむ固定ボルトの緩みを防ぐために、平座金とばね座金を装着すること。
- シャフトの直動軸受けは、間歇動作に適した薄型の軸受けとして、無給油ブシュラジアルタイプを選定。
- カバーの停止位置を決めるストッパに、セットカラーダンパ付タイプを選定。ウレタンストッパが当たる面を平面にするため、軸受けの無給油ブシュは下側から固定の設計とする。
- 移動物のカバーは、2本のシャフトと1本のエアーシリンダのロッドの合計3本の軸で拘束される構想となるが、移動案内はシャフトと直動軸受けが受け持つ構造とし、エアーシリンダのロッドはフローティングジョイントで連結させて、エアーシリンダへの無理な力がかかることを避ける設計にすること。
- それぞれの材料は、使用環境からサビ対策のための表面処理または材料選定、エアーシリンダの負荷軽減のためのカバー軽量化などを考えて選定。
上記の手順でカバーのシャッター機構を設計したものが【図2】、【写真1】です。