(1)リニアブシュの軸受長と案内性能
ミスミのリニアブシュには軸受長さの種類として、[1] シングル、[2] ダブル、[3] ロングの3種と、購入者が独自に設計する [4] (シングル2個使いの専用設計)の合計4種類があります。この軸受長さの違いは、次の案内性能に関係してきます。
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a)軸受長さと耐荷重性能の関係
軸受長さが長くなるとベアリング数が多くなるため、各ベアリングの接触点での荷重負荷が小さくなります。
この効果は[1] 、[2] 、[3] の3種類のリニアブシュ長さに応じて、定格荷重が増大していることから分かります。
したがって、軸受長の長いリニアブシュの選定は耐荷重性能が向上できます(=寿命が長くなる、信頼度が上がる)(【図1】)。
b)軸受長さと案内精度の関係
軸受長さが長くなると、次のような案内精度の向上が図れます。
ア) | レール(シャフト)の案内誤差を平均化して精度向上させる(平均化効果:注—参照)(【図2】) | |
イ) | レール(シャフト)とのクリアランスによる誤差を縮小して精度向上させる(【図3】) |
※ | 軸受の平均化効果:直動案内の軸受長を長くしてベアリング数を多くすることで、レール表面の誤差要素(表面粗さの凹凸やうねり)が平均化され、誤差要素の影響が半減以下に抑えられる。 |
したがって、軸受長さを長くすることで、耐荷重性能と案内精度を良くすることができます。このため [4] (シングル2個使いの専用設計)で、リニアブシュをある程度高精度な用途に採用する場合があります。(【図4】)
(2)レール(シャフト)のたわみ量算出の解説(【【図5】)
リニアブシュとシャフトで構成された直動機構の場合のシャフトのたわみ量は、次式で算出できます。
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(3)表面処理の特徴
リニアブシュの表面処理の特徴は次表となります。
表面処理の特性比較
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