シャフトとリニアブシュ(または無給油ブシュ)の組合せの直動案内は、最もシンプルなレールとスライダの構成です。ここでは、この構成以外の直動案内の変遷と特徴を解説します。
(1)シャフトとリニアブシュの直動案内の欠点
次のような欠点があります。
シャフトとリニアブシュ構成の欠点 | 欠点の対応策 | 直動案内の変遷 |
リニアブシュはシャフトの外周に沿った回転運動ができない | 2本のシャフト構成で回転を拘束する | ボールスプライン+スプライン軸の構成 |
下からの支えのない中空状態で両端保持構造となるため、大きな垂直荷重を受ける機構では剛性が得られない | シャフト径を大きく、ダブルタイプのリニアブシュを選定 | シャフトガイドレール+シャフト+リニアブシュの構成 |
(2)直動案内の進歩
単純に直動案内の進歩を現すと次のようになります。
図解で簡単に解説します。
- a)
- ボールスプラインはシャフトにボールベアリングの転動溝を持たせて、直動のみをフリーにしている。(【図1】参照)
- b)
- シャフトの中空部にシャフトガイドレールを設置して、レール剛性を向上。相手となるリニアブシュはこの部分を切り取った構造(【図2】参照)
- c)
- フリーなボールリテーナを軸受けとするため、回転、直動が拘束を受けない
- d)
- b)の基本構造に近いが、耐荷重が高くできるようベアリングとレールの接触面積を広くするベアリング転動溝を設けている(【図3】参照)。