パイプシャフトは、シャフトの軸中心に貫通穴を持ったもので、次のような特徴があります。
■パイプシャフトの特徴
- シャフトの貫通穴を有効利用できる
- 同一径のシャフトに較べて軽い
- 注意点として、貫通穴はシャフトに対して同芯度は出ていないので、精度を狙ったガイド穴などには使用できません。
それぞれの特徴について事例を紹介します。
(1)シャフトの貫通穴を有効利用する
(a)シャフトの冷却
- 直動案内のシャフトが摩擦熱により温度上昇することを抑えるために、パイプシャフトの端部に冷却用エアーや冷却水の配管を繋ぎ、貫通穴に冷却エアーや冷却水を流し込む。
(b)配線、配管用ガイド
- シャフトを直動案内とする機構で、駆動部がカバー等で遮断される場合などのモーター類の配線や、エアーシリンダ用エアー配管等のガイドとして活用。<【図1】参照>
(2)同一径のシャフトに較べて軽い
シャフトを往復運動させる場合は、シャフトの重量が往復運動用アクチュエータ(モーターやエアーシリンダなど)の容量選定に関係してきます。アクチュエータの容量を可能な限り小さくすることでアクチュエータ低価格化、省エネ、モーター発熱抑制の効果が得られます。ただし、パイプシャフトの場合は、しゅう動騒音が貫通穴のない一般シャフトに較べて大きくなる欠点があります。<【写真1】参照>