ステッピングモータとACサーボモータの使い分けについて、位置決め制御方式や駆動機構の剛性の違いの面で解説します。
(1)「位置決め制御方式」の面での使い分け
位置決め制御方式は、ステッピングモータ(動きを持つ構造設計-11)、サーボモータ(動きを持つ構造設計-12)で解説しています。
位置決め精度は、その位置精度を一定時間保つ性能が必要です。2種のモータの位置停止精度の原理を説明します。
ステッピングモータの場合
ステッピングモータで高精度位置決めをする場合は、2. の誤差をできるだけ小さくするために直進運動の位置決めを一方向からのみにする制御を採用しています。この一方向停止制御法は機構系に生じるバックラッシュの抑制方法と同じです。この制御法を採用すると制御時間の短縮には限界が生じます。
サーボモータの場合
サーボモータの停止位置精度はエンコーダ分解能できまります。そのため高速高精度に向いています。
(2)駆動機構の剛性の影響と使い分け
駆動機構は、稼動体が動くときの慣性力や摩擦力を受けます。これらの力に影響を受けない程度の機構剛性がなければ精密な位置決め制御はできません。
サーボモータを使用した場合、搭載した機構の剛性が不十分だとサーボモータ側の性能は活かされません。さらに機構部に外付けした位置計測用スケールの信号でサーボモータを完全クローズドループ制御をすると、機構部の剛性不足のためにサーボモータが不安定になりがちです。
反面、ステッピングモータは機構部の剛性をあまり気にせずに、ある程度の精度がバランスよく構成できます。
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