可動体を持つ機械設備の場合、可動体の移動範囲の全てにおいて予期せぬ問題が生じないことを機械設備設計者は、設計段階で確認する必要があります。ここでは可動体の設計技法を解説します。
・二点鎖線は想像線とも呼び、稼動状態の図示などに使用します。破線は隠れ線とも呼ばれ、見えない部分(隠れた部分)の構造体を図示する線の種類です。
・可動部の設計は、組立図に可動範囲の最大ストローク位置を二点鎖線(想像線)で図示させます。
・この最大ストローク位置での可動体の状態について、設計者は構造上の問題が生じないことをチェックします。
・【図1】のビンゴゲーム機の場合、X軸テーブルの最大ストローク位置に対するケーブルベアの状態を 二点鎖線で図示しています。
・【図1】の二点鎖線の状態から次のチェック項目が確認できます。
(1)X軸テーブルが左側最端部まで移動してもケーブルベアはカバーに当たらない余裕がある。
(2)上から見た平面図(【図1】ではありません)から、背面に設置されるエアーシリンダのマニホールドレギュレータの邪魔にならないことが確認できる。
・【図2】は液中耐久試験機の事例です。可動体が左端(実線)と右端(二点鎖線)の位置で図示されています。