「もの造り作業」は製品情報の転写である、との解釈があります。この考えでは、LCA(ローコストオートメーション)設備は、設備仕様で表現された情報を構造部材に転写させる作業と解釈できます。したがって、構造部材に設備仕様をスピーディーに転写させるためには、設備仕様の完成度が高いことが前提として求められます。
(1)LCA設備設計作業のスピードアップ方法
個別解説
■a)思考プロセスの合理化=試行錯誤をなるべく少なくする
- 工学的な解析法を応用して判断の質を向上させる。
【解説】
前例や経験・カンのみでなく、簡単な物理モデルとして解析する。その後に、専業メーカー(モーターメーカー、ベアリングメーカーなど)に確認。 - 新規設計は不必要に多くせず、経験済みの機構・駆動制御を最大活用する。
【解説】
新規設計はリスクを避けられない。計画の不確かさを最小にするために、経験済みの機構や駆動制御を活用することで難易度の高い部分に集中でき、全体の質の向上に繋がる。 - 設計作業の手順のシステム化
【解説】
正しい設計手順により時間の節約を図る。また、外部アウトソーシングの利用などで平行して作業が進められる。 - 設計テーマごとに自分の設計ノートを作成し、計算や部品選定プロセスの再チェックが可能な状態とすることでミス防止を図る。この設計ノートが技術蓄積のツールになる。
■b)製作期間短縮設計
- 組立しやすい構造、メンテナンスしやすい構造を設計する。
【解説】
組立基準を持たせて調整を出来るだけ避ける
組立方向/解体方向・電気配線との配置関係など - 部品加工の工数が少ない部品設計を行う。
■c)標準化/共通化
- 従来図面の活用
- ボルト、ナット類は種類と寸法(サイズ、長さ)を標準化し、設計もこれに従う。
- 鋼材種類、ベアリングやエアー配管部品などの購入部品も標準化し、設計もこれに従う。