(2)蒸気の持つ熱量

 それでは、蒸気は具体的にどのくらいの熱量をもっているのでしょうか。これを示したものに「蒸気表」があります。
 蒸気表は、圧力を基準にしたものと温度を基準にしたものがあり、それも絶対圧力(Mpa)で表示されています。
 本表では圧力基準で示しています。通常使われている蒸気ボイラーの圧力は、圧力計で表示されるため、ゲージ圧力(Mpa・G、圧力計の読み値)を基準にした温度・熱量を【表1】に示しました。

【表1】蒸気表

ゲージ圧力 温度 比エンタルピー
(KJ/Kg)
Mpa・G ℃ 顕熱 潜熱 全熱
0.001 100 419 2,257 2,676
0.1 120 505 2,202 2,707
0.2 134 561 2,163 2,725
0.3 144 605 2,133 2,738
0.4 152 640 2,107 2,748
0.5 159 670 2,085 2,756
0.6 165 697 2,065 2,762
0.7 170 720 2,047 2,768
0.8 175 725 2,030 2,772
0.9 180 763 2,014 2,776
1.1 188 798 1,984 2,783

※ 注)0.1Mpa・G=1.0Kg/cm2・G(旧表示)、KJ=0.2389KCaL、KCaL=4.186KJ

 表の説明をしましょう。
 圧力は圧力計の示す蒸気圧力です。比エンタルピーとは、そのゲージ圧力における蒸気1kgがもっている熱量のことです。
 その内訳は、顕熱と潜熱であり、全熱=顕熱+潜熱となります。顕熱と全熱は、蒸気圧力が高くなると増加しますが、潜熱は蒸気圧力が高くなると減少します。
 前回も触れましたように、めっき浴加熱系における熱の循環は、次のようになっています。

図

 通常めっき浴等の加熱には、加熱管を蛇管にした加熱器や、めっき液をポンプで循環して伝熱する熱交換器などの、間接加熱が用いられますので、この系における有効に利用できる熱は、凝縮潜熱だけです。
 いま、ゲージ圧力0.2Mpa・Gの蒸気を使ったとすると、蒸気1Kgについて、全熱は2,725 KJ/kgの熱量がありますが、めっき浴の加熱に利用できる熱量は、2,163 KJ/kgであることが、この表から読み取れます。