無電解めっき
無電解めっきとは、化学めっきともいわれ、電気めっきのように金属を製品上に還元析出させるエネルギーとして直流電力を使用せず、化学薬品の還元剤を使ってめっきする方法です。したがって、無電解めっきは、電気めっきのように直流電源や陽極・陰極装置などを必要としません。 このようなめっきには、置換めっきがありますが、これは浸漬めっきともいわれ、イオン化傾向の差による置換反応によってめっき液に浸漬するだけで皮膜が得られます。アルミニウムへのめっきの前処理に使われるジンケート処理などはこれに属します。 無電解ニッケルめっきの場合、還元剤に次亜りん酸塩を使えば、ニッケル・りん(Ni-P)合金めっき、硼素化合物を使えば、ニッケル・ボロン(Ni-B)合金めっきが得られます。 無電解めっきには、ニッケル、コバルト、パラジウム、銅、銀、金などがありますが、工業的に実用化が進んでいるのは、ニッケル、銅、金めっきです。 |
無電解ニッケルめっき-1
無電解めっきの代表であるニッケル・りん(2〜15%)合金めっきは、機械的・電気的・物理的特性などが優れていることや、複雑な形状の製品にもめっき皮膜が均一に被覆できることなどが評価されて、さまざまな分野で使用されています。特性を【表】に示します。
【表】無電解ニッケル・りん合金めっきの物性
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