(1)ロジウムめっきRh
工業用ロジウムめっきは、硬度がHv800〜1000と工業用クロムめっき並の硬度が高いうえに耐食性も優れているので、磨耗や摺動などの激しいプリント基板の端子めっき、コネクター、スイッチの接触子など、長期的に安定した低接触抵抗性が求められるものに利用されています。
ロジウムめっきの特徴として、次のことがいえます。
1. | 化学的に安定で、常温で酸化変色することはありません。 | |
2. | 硬度が極めて高く、耐磨耗性も優れています。 | |
3. | 耐熱性に優れ、空気中で500℃以下では酸化しません。 | |
4. | 電気抵抗は490uΩ/mと金の2倍であるが、白金族の中では最も低いです。 | |
5. | 優美な銀白色の光沢をもち、光反射率は80%と高いので装飾品・銀製品の変色防止に用いられます。 | |
6. | 接点関係でのめっき厚さは、次のように大別できます。 ・変色防止用 0.5μm以下 ・耐磨耗用 0.5〜2.0μm ・高度の耐磨耗用 2.5〜25μm |
(2)白金めっきPt
白金はロジウムよりも一般的に知られていますが、白金めっきはロジウムめっき程多くは用いられていません。白金めっきの硬度はロジウムめっきより低いのですが、ロジウムを5〜10%を含む合金めっきの硬度は高いといわれています。耐酸化・耐食性・耐熱性が優れているためロジウムめっきと同様電子機器の接点用に使われています。
食塩電解などでは、不溶性陽極として、チタン上に白金めっきしたものが用いられています。耐食性は抜群です。
(3)パラジウムめっきPd
ロジウムめっきよりは安価ですが、耐磨耗性や耐食性は劣ります。電気接点に用いると空気中の有機物と結合してポリマーを生じる欠点があります。しかし高価なロジウムめっきの代替として、低接触抵抗めっきとして用いられています。
(4)ルテニウムめっきRu
ルテニウムめっきは低接触抵抗、硬度、耐磨耗性、耐食性等がロジウムめっきと同等で、コストが1/2と安価であるので、ロジウムめっきの代替として期待されていますが、内部応力によるクラックが発生するなど3μm以上の厚めっきが困難で、今後の開発が期待されています。