機能めっきの光的特性は、次の通りです。
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(1)反射防止性
光の反射を防止し、まぶしさを防ぐ(防眩性)特性で、カメラや光学機械などの光路や外装、自動車の内外装品には、黒色クロムめっきや梨地ニッケル・黒クロムめっき、黒色陽極酸化皮膜などが用いられます。鉄鋼製品における亜鉛めっきでは、黒色クロメート処理が採用されています。
(2)光選択吸収性
ある波長の光はよく吸収するが、他の波長の光は放射し難い性質で、ソーラーコレクタの表面などに使われます。太陽光の熱エネルギーをよく吸収して熱湯にしますが、熱湯の発する波長の長い赤外線は放射し難い、つまり熱し易く湯が冷めにくいという性質です。黒色クロムめっき、黒色陽極酸化皮膜、銅の黒染め処理などが採用されています。
(3)光反射性
光をよく反射する性質のことで、反射鏡として有用です。アルミニウム上に光沢ニッケルめっき・クロムめっきを施した製品は、自動車のバックミラーや建築の内外装材として使われています。ガラスの鏡と異なり軽量・割れない・保温材との複合化が可能など多くの特徴をもっています。さらに金属を精密超仕上げしてめっきしたものは、光学部品として精密機械に使われています。 |
(4)耐候性
太陽光による紫外線によって劣化を起し易い、プラスチックやゴム・塗装面などを、紫外線から保護する性質です。プラスチックなどは、紫外線によって劣化し、脆くなったり、クラックが入ったり、色が褪せたりして、商品としての機能を維持できなくなりますが、これらにめっきを施すことによって、紫外線による劣化を防ぐことができます。そればかりか、美観を向上させ高級感を与えることもできます。