Question
エンドミル加工でのアップカットとダウンカットの違いはなんですか?
また、どのように使い分けるのですか?
Answer
アップカットとは
エンドミルの回転方向とテーブルの送り方向が、ほぼ相対して切り進む加工方向のことです。
切削量は最小から最大に切り進むので、刃が被削材に喰い込むまで滑る傾向です。
なので、擦り摩耗の進行が早く、加工硬化するステンレス鋼などはより顕著になります。
仕上面は良好で、テーブル送りのバックラッシュは影響しません。
ダウンカットとは
エンドミルの回転方向とテーブルの送り方向が、ほぼ同一方向に切り進む加工方向のことです。
切削量は最大から最小に切り進むので、刃が被削材に始めから喰い込みます。
なので、擦り摩耗の進行が比較的遅い傾向です。
仕上面は普通で、テーブル送りのバックラッシュがある場合は加工精度に影響します。
アップカットとダウンカットの使い分け
マシニングセンターなどの剛性のある工作機械では、一般的に工具の摩耗を考慮し、
ダウンカットでの加工を推奨します。
また、汎用フライス盤などでテーブル送りにバックラッシュのある工作機械では、
アップカットで加工するとトラブルを抑えられることがあります。
マシニングセンターでも仕上げの最終工程で面精度を上げるため、
アップカットで加工する場合もあります。