圧力センサは、気体・液体の圧力を電気信号に変換する産業用センサです。基準圧力・測定範囲・接続口径・圧力媒体・出力形式が決まれば、下の比較表で候補機種を絞り込めます。目的に応じて以下から進んでください。
このページの目次
- 圧力センサの3種類を比較:ゲージ圧・絶対圧・差圧の使い分け
- 圧力センサの選定ポイント(測定範囲→媒体→出力→環境の順に絞る)
- 圧力センサの測定原理(補足:ピエゾ抵抗式・静電容量式の仕組みと差圧測定への応用)
- 流量センサとの連携(補足:差圧式流量計の仕組み)
- よくある質問(FAQ)
圧力センサの3種類を比較:ゲージ圧・絶対圧・差圧の使い分け
用途に応じて、まずこの比較表で基準圧力の方式を絞り込みます。大気圧との相対値ならゲージ圧、大気圧変動の影響を受けない絶対値が必要な用途なら絶対圧、2点間の差を直接測るなら差圧が起点です。負圧から正圧までを1台で監視したい場合は、大気圧を基準に負圧側と正圧側の両方を測れる連成圧センサ(ゲージ圧の一種)も選択肢になります。
| 種類 | 基準圧力 | 主な用途 | 選定の目安 |
|---|---|---|---|
| ゲージ圧センサ | 大気圧(0基準) | 空圧設備・油圧回路・水圧管理 | 最も一般的。大気圧との相対値が必要な場合 |
| 絶対圧センサ | 完全真空(0Pa基準) | 真空搬送・減圧プロセス | 大気圧の変動に左右されず、絶対的な圧力値を管理したい場合 |
| 差圧センサ | 2点間の圧力差 | フィルタ詰まり監視・流量計算・液面計測 | 2点間の圧力差を直接測定したい場合 |
圧力センサの選定ポイント(測定範囲→媒体→出力→環境の順に絞る)
測定範囲 → 圧力媒体 → 出力形式 → 設置環境(保護等級・接続)の順に決めれば候補機種を絞り込めます。
- 測定範囲を決める
通常使用時の圧力が、センサの測定レンジ内の適切な範囲に入るように選定します。サージ圧・脈動圧を考慮して余裕を持たせます。 - 圧力媒体への耐性を確認する
計測対象の流体(空気・油・水・薬液)への耐性を確認します。腐食性媒体では、接液部材質とシール材質の耐薬品性を確認し、媒体の種類・濃度・温度に応じSUS316L、PTFEなど適合する材質を選定します。 - 出力形式をPLCに合わせる
PLCやコントローラの入力仕様に合わせて、アナログ出力(4~20mA、電圧出力など)、スイッチ出力(NPN/PNP)、デジタル通信(IO-Linkなど)を選びます。長距離伝送には4~20mA出力が使われることが多く、しきい値判定にはNPN/PNPなどのスイッチ出力を選びます。 - 設置環境(保護等級・接続・温度)を合わせる
液体飛散・通常の水噴流環境はIP65~IP67、高温・高圧洗浄が想定される食品・飲料・医薬品設備では、IP69/IP69K対応品を検討します。プロセス接続(Rc・NPTねじ・フランジ)とシール材質、使用温度範囲・温度ドリフト係数も確認します。
圧力センサの測定原理(補足:ピエゾ抵抗式・静電容量式の仕組みと差圧測定への応用)
ピエゾ抵抗式(半導体ひずみゲージ式)
シリコンダイアフラムに半導体ひずみゲージを形成し、圧力によるひずみで抵抗値が変化することを利用します。感度が高く、小型化が容易です。温度補正等により高精度化しやすいため、産業用途で広く採用されています。温度補償回路を内蔵した製品が多く、温度ドリフトを低減しています。
静電容量式
2つの電極(固定極と可動ダイアフラム)間の静電容量が圧力により変化することを検出します。分解能が高く、低圧域での計測に適しています。湿度や結露の影響を受ける環境では、防湿性や保護構造を確認します。
差圧測定への応用
2つの圧力ポートの差分を検出します。流量計算・フィルタ詰まり検知・液面計測などに応用されます。高圧側と低圧側を同時に入力し、差分を精密に測定します。
流量センサとの連携(補足:差圧式流量計の仕組み)
差圧センサとオリフィス・ベンチュリ管などの絞り機構を組み合わせることで、流量を間接的に計測できます。流体が絞り部を通過する際に生じる上流・下流の圧力差(ΔP)は流量の2乗に比例するため、差圧センサの出力から流量を算出します。
簡略的には、体積流量Qは次のように表せます。
流量計算式:Q = K × √(ΔP / ρ)(Kは定数、ρは流体密度)
ガス・蒸気・液体の流量管理に広く使われており、専用の流量計より低コストで設置できる場合があります。直管区間の確保と絞り機構の設計が精度に影響するため注意が必要です。