加工用機械や自動組立機、さらにここで主に対象とする簡易的な自動機のLCA(ローコストオートメーション)などに要求される材料特性は、次のようなものが挙げられます。

材料選定のポイント 材料特性
1. 強度が高い 引張り・圧縮強度、弾性係数など(変形しにくさ)、じん性、耐食性、耐磨耗性など
2. 加工性が良い 切削・研削加工性、溶接性、熱処理性、表面処理性など
3. 物理的材料特性 密度、熱伝導率、熱膨張率、誘電率など

【図1】ワークホルダ例(回路基盤組立用)

 LCAでは、設計段階で市販されている標準部品から材料・表面処理や硬度などの性質を適切に選定し、ローコスト化を図ることが重要です。ここではワークホルダ【図1】の中から、2個の標準部品(ワークガイド、支柱ピン)を例に、選定候補となる代表的な材料(鉄系とプラスチック系材料)と表面処理を解説します。

材料名称 解説 用途例
S45C SはSteel、CはCarbonの略
45は炭素含有率0.45%
熱処理が効き強度、耐磨耗性を有す強度部材
ピン、回転軸、ベースプレートなど
<表面処理>
四三酸化鉄皮膜
材料表面に黒色酸化鉄(Fe304)を緻密に形成させて防錆効果を持たせる
硬質クロムメッキ 耐食性と硬さを向上できる表面硬化メッキ法
無電解ニッケルメッキ 析出皮膜は緻密な非晶質ニッケルで耐食性に優れる。熱処理により硬質クロム以上の硬度も可
SUS304 SUS(サス)のSはSteel、UはUse(特殊用途)、SはStainless(さびない)の略
鉄、クロム(18%)、ニッケル(8%)の合金
加工性が悪いがさびない特質で選定される
クリーンルーム内LCA
グレー 素材名ポリアセタールを用いた商品名
引張り強さ60MPaと強く、割れにくく耐磨耗材
ガイド、
軸受け、
カム

 上記以外でも、取り扱う部品や製品に必要な品質要件に応じて使用材料を選定することで、コストパフォーマンスの高いLCAが実現できます。下記の各種材料の特徴も参考としてください。

材料種類 材料特性
アルミニウム系 軽量(鉄の約1/3)だが強度は劣る(ひずみ量は約3倍)
材料選定(添加成分制御)により熱処理効果と強度が得られる
硬質アルマイト処理により優れた耐磨耗性が得られる
銅合金系 熱伝導率、耐食性が良いことから加熱・冷却を要する構造部品など
プラスチック系 軽量、電気絶縁性の特徴から電気特性評価用ワークホルダに多用
熱伝導率が低いことから肌触りがやさしく保持部材など
透明性(スケルトン)からカバー