動きを持つ構造設計の究極マシンは自動車レース用F1マシンが代表となるでしょう。最速マシンの条件は、速く走る性能だけでなく高速走行の稼働率を如何に他のF1マシンより向上させるかです。ピットインしての燃料補給・タイヤ交換・メンテナンスなどのムダ時間を最小化させる勝負でもあります。
その為のF1マシン構造設計のポイントの中で、LCA(ローコストオートメーション)の設計に共通する項目を挙げると下表と成ります。
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これらの構造設計のポイントは、優れたLCAの構造設計と共通するものです。
【写真1】では、前方タイヤに繋がるサスペンション(リンク機構)の連結部に、ピエゾ素子のセンサが取り付けられているのが分かります。このセンサで走行中の操舵状態(振動、機構変形、他)をセンシングし、タイヤの磨耗度合いなどをモニターリングしながらピットインのタイミングを判断します。このピエゾセンサからの配線と同じような配線が束になって見えますが、多種多用なセンシングデータを活用しながらF1レーシングが競われています。
【写真2】は後輪側の機構です。同様に、軽量・コンパクトなリンク機構のサスペンションが採用されています。ボディカバーは軽量化のため、複合グラファイト材料を成形しています。
究極の賢いLCAを実現するためのキーテクノロジーは、状態センシングとそのデータ処理、採取データに基づく制御が重要といえます。