センサの使い方-5(動きを持つ構造設計-20)、【写真3】の1軸モータ駆動機構を事例として、システム構成を解説します。
(1)システム構成の解説
センサの使い方-5(動きを持つ構造設計-20)で解説した3個の光電センサ(原点センサ、オーバーラン防止センサ:2個)と電動モータ、ボールねじ、リニアガイドで構成された機構のシステム構成は【図1】です。
直動運動速度や移動距離・方向などのプログラムはプログラマブルコントローラ(PC)内にストアーされ、コントローラでモータ制御用パルス列に変換し、ドライバーを介して駆動用モータ(ステッピングモータ)に伝えられます。このシステム構成の場合は、モータの制御結果の誤差を補正する機能は持たせていないためオープンループ制御方式です。
(2)システム構成の高信頼性
(1)オーバーラン防止センサの使用法
オーバーラン防止センサが誤作動した場合、可動体がボールねじのサポートユニットに衝突して組付け精度を狂わせたり破壊させる事故に繋がるため、センサ信頼性が重要です。この場合のセンサの使い方は非常停止スイッチと同じB接点接続法(常時閉接続)で回路構成させます。
(2)周辺ノイズの影響回避法
プログラムされたパルス列出力が周辺からのノイズにより読み取り不良を生じる場合があります。このシステムで使用する電源ラインを独立させ外部からのノイズや電圧変動の影響を回避させることがベストですが、不可能な場合は、同じ電源ラインの接続装置がノイズを生じにくいものにすべきです。パルス信号の接続ラインは、ノイズを回避するためにツイスト線の信号線が使用されています。必要があればさらにシールド処理をします。
※ | 注記:ノイズが生じやすい装置の一例 *大型乾燥炉、スポット溶接機、レーザ発振機・・・大容量のパルス状出力の切り替えをする装置などと同じ電源ラインで接続しないこと、また、隣接して配線させないこと。 |