メカニカル部品
- 概要 自動化を前提に洗浄品質を安定化させるには洗浄かごや洗浄治具の適正構造が非常に重要。洗浄ワークの特徴(形状、強度、材質など)や要求品質を理解した上で専用設計することが望ましい。 解説 (1)洗浄と品質問題 ・部品やユニットの小型・高集積化や表示品質の高品位化などのニーズにより、これまで以上に洗浄品質の要求も高まっている。 ・洗浄品質に関係がある品質問題では、(1)接着強度低下や(2)異物付着による表面変質・腐食、に関連する信頼性の問題と、(3)外観欠陥に係る感性的品位の2つが挙げられる。 (2)洗浄品質安定化のための洗浄かご構造 ・洗浄品質を安定化させる重要な課題として洗浄かごの構造の適正化がある。 ・洗浄かご構造の適正化には、次の5項目の要件が求められるタグ:
- 概要 精密洗浄にはほとんどの場合、超音波洗浄装置が使用されるが、この超音波洗浄の洗浄エネルギーの発生位置を検知し、この最適位置で洗浄できるように洗浄かごを設計製作することがポイントである。 解説 (1)超音波洗浄エネルギー発生位置の検知方法 ・超音波洗浄の洗浄効果を向上させるには、洗浄かごの中で最適な位置に洗浄ワークを設置して洗浄することが重要。 ・したがって、使用する超音波洗浄装置の洗浄槽内の超音波洗浄エネルギーの発生状態を検知することが重要となる。 ・図1に洗浄槽内の超音波洗浄エネルギーの発生状態の検知法を解説した。 ・市販の台所用アルミホイルを利用し、超音波エネルギーの強さをアルミホイルの変形や破損状況とそれらの位置で相対的に判断することができる(図2)。 ・図2に洗浄エネルギー検知用アルミホイルの造り方を解説した。さびないステンレス針金などで枠をつくり、その枠にアルミホイルを面状に固定する。タグ:
- 概要 精密洗浄にはほとんどの場合、超音波洗浄装置が使用されるが、洗浄エネルギーが大きい最適位置で洗浄できるように洗浄かごを設計製作することが洗浄効果向上のポイントである。 解説 (1)超音波洗浄の洗浄エネルギー ・精密洗浄にはほとんどの場合、超音波洗浄装置が使用される。 ・この超音波洗浄の洗浄エネルギーは、洗浄槽の底部に装着されている超音波発振子の性能と配置数でほとんど決まる。 ・この超音波洗浄装置の洗浄エネルギーを最大効率的に洗浄作用として利用するのが、生産技術者の腕の見せ所である。 ・超音波洗浄装置の洗浄槽内の洗浄エネルギーは図1の様なイメージで発生していると考えてよい。タグ:
- 概要 隙間に残る液状汚れは洗浄処理が難しい。ここでは、隙間に残る液状汚れの洗浄処理のための前処理法を解説した。 解説 (1)取れない汚れの例 ・小さな部品を重ねて洗浄処理した場合や2枚のガラス基板が接着された液晶表示部品の洗浄の場合などでは、工程内の異物、液状薬品や洗浄液などが毛細管現象のために隙間に侵入しやすく、これを除去するのが難しい。 ・隙間に液状の汚れが残った状態で乾燥させてしまうとシミが残るため、不良品になることがある。 ・エアーガンで吹き飛ばしても、エアーが当たらない部分に液体が移動するだけだったり、飛沫状態で飛散して他の品物に付着してシミの原因となる場合がある。 ・この様に、隙間に洗浄除去するものが残っている場合は、後工程での洗浄処理で取りきれない汚れとなる場合が多い。タグ:
- 概要 生産工程内での洗浄処理の原理・原則を理解した上で、生産技術的に洗浄品質を効率的に実現するかを考えるための流れを解説した。 解説 (1)洗浄の原則 クリーンルーム内での作業の原則は次の3つです。 1. コンタミネーションを持ち込まない 2. コンタミネーションを出さない 3. コンタミネーションを堆積させない この表現を真似ると、洗浄の原則は次のように表現できる。タグ:
- 概要 工作機械や精密な有機膜印刷装置などでは、1台で複数の基板サイズのワークを加工処理する必要がある。この場合、機械稼働率ロスを最少限にするためワークの把持方式が特に重要となる。ここでは、複数のワークサイズに対応できる真空吸引把持方式を解説する。 解説 薄板状ワークの切削加工機や、ガラス基板の有機膜印刷装置などでは、真空吸着によりワークを把持し、加工が成される。この場合、把持されるワークサイズが変わると、真空吸引溝が開放状態となり真空吸着ができなかったり、吸着力が足りなくなるなどの問題が生じる。吸着テーブルを交換する方式では、精度上の問題と装置の解体調整を要すため、機械停止時間のロスが大きくなる。タグ:
- 概要 ガラス基板を加工テーブル上で真空吸引を用いて把持した状態から、真空吸引を開放してガラス基板の把持を解除する時に、ガラス基板を破損する事故が生じる場合がある。この原因は、真空吸引の急激な開放による衝撃が主な原因で、この真空開放を緩やかに制御することで対策できる。 解説 ・ガラス基板自体の軽量化や材料費削減の狙いで、基板の薄板化と大盤化が進む。この傾向の影響もあり、真空吸引と開放の操作時にガラス基板が破損する事故が生じやすくなる。また、生産タクトを短くするために、真空把持と開放の高速化を行う場合もあり、ガラス基板の破損事故に繋がる。ここでは、真空吸引開放の制御によるガラス基板の破損対応策を解説した。 (1)真空吸引開放時のガラス基板破損不良の要因解説 ・ガラス基板の真空吸引状態から開放状態に真空吸引を制御する場合、真空開放を急激に変化させると、真空吸引の小さな吸引穴の部分で空気が爆発的に放出されることがある。 ・この時の局所的な空気圧と急激な真空解除によるガラス基板への衝撃により、ガラス基板が破損を生じる場合がある。タグ:
- 概要 ガラス基板を加工テーブル上で真空吸引を用いて把持した状態で、印刷や各種の加工を行う場合、真空吸引の箇所で印刷不良や加工不良が生じやすい。この原因とその対策法について解説した。 解説 ・板厚が薄いガラス基板などに色々な溶剤を印刷する場合や機械的に加工する場合には、加工テーブル上で真空吸引法を用いてガラス基板を把持する場合が多い。しかし、真空吸引溝のデザイン(溝形状、溝のサイズ、他)による加工不良が生じることがある。ここでは、真空吸引溝のデザインと加工不良の関係と、その機構的な対応策を解説した。 (1)生産ラインの解説 ・板厚が薄いガラス基板に対する色々な加工処理は、加工テーブル上にガラス基板を真空吸着して加工を行う。この場合、テーブルに対するガラス基板の位置決めは、ガラス基板の外周基準辺に対しテーブル基準面との位置だしを行い、この両者の位置関係を保持してガラス基板をテーブル上面に載せ、真空吸引で把持する。 ・色々なサイズのガラス基板に対して真空吸引が出来るように、テーブル上面に色々な形状の真空吸引用溝が形成されている(図1)。タグ:
- 概要 ガラス基板の印刷工程での印刷膜厚不良は、印刷後の熱処理の不均一による場合がある。その原因が搬送時のガラス基板の取扱い方法によることがある。この対策を解説した。 解説 ・ガラス基板やシリコン基板などの薄板ワークは、レジスト液や各種の希釈溶液の印刷処理を連続生産ラインの中で行い、この印刷処理後に、予備乾燥と本乾燥の熱処理を行う。この薄板ワークの熱処理工程内での薄板ワークの取扱方式の適・不適により、印刷不良を生じることがある。ここでは、薄板ワークの熱処理後の熱伝導不安定による印刷品質不良を回避する搬送ライン内のワーク取扱技術を解説する。 (1)生産ラインの解説 ・ガラス基板やシリコン基板などの薄板ワークは、レジスト処理自動化ラインや乾燥ラインの中で、一定タクト間隔で連続的に洗浄・乾燥・印刷・予備乾燥・本乾燥などのプロセス処理がなされる。 ・生産ラインに投入される薄板ワークは、特に板厚が異なる薄板ワークが投入される場合に、熱処理工程で印刷膜厚の不均一不良が出やすい。タグ:
- 概要 搬送不安定はローラ部以外の要因も多くある。このため搬送機構のパスラインの安定化と調整容易さを実現する機構構造や搬送速度の適正化など構造面と使用条件面からの対応が必要。 解説 ここでは、ローラ搬送部以外の機構部について解説し、まとめとしてガラス基板の薄板軽量化に対応するための搬送機構設計の勘所を示した。タグ:
- 概要 搬送ローラの配置案と各ローラの摩擦係数の最適配置化により、基板の搬送蛇行を回避し、まっすぐに搬送させる運動制御性の向上が可能となる。 解説 独立3列搬送ローラ機構を用いて搬送の直進性安定化のための機構について解説する。 1)ローラ配置の数と配置案 ・1枚の基板を支えるローラ配置点での摩擦力の配置バランスに工夫をこらすことで搬送移動中の搬送運動の安定化向上が可能である。タグ:
- 概要 独立した3列の搬送ローラ配置機構を採用しても、基板と接触している全てのローラ接触点で摩擦力が均等に成るようにしなければ、ガラス基板の搬送方向が曲がる問題が生じる。 解説 搬送-3(自動化ノウハウ編)で薄板基板の搬送には独立3列搬送ローラ機構が好ましいことを解説した。ここでは、この構造における基板の搬送方向について解説する。タグ:
- 概要 搬送ローラ機構のローラ部配置案(3種類)を比較して、ローラ搬送方式の特徴解説を行った。この事例より、搬送機構設計の検討課題に対する駆動方式選定の実践力を向上できる。 解説 1)ローラ搬送機構の設計への応用 ローラ搬送機構は、搬送ローラ部とそれ以外の機構部で構成されるが、ここでは3種類の搬送ローラ配置案(図1)について解説する。 A)案・・独立した2列の搬送ローラの場合(図1-a) ガラス基板のたわみ変形にバラツキが大きい場合やOリングに偏磨耗が生じると、基板とローラの接触が不安定となり搬送方向が曲がりやすくなる。 両端の搬送ローラをメイン、中央の搬送ローラをサブとなるよう材質やローラ径を設計し搬送安定化させることが考えられる。 B)案・・独立した3列の搬送ローラの場合(図1-b)タグ:
- 概要 ガラス基板の搬送挙動の安定化のための機構設計のポイントは、搬送ローラにかかる基板重量の安定化と搬送ローラ接触点での摩擦係数を大きく、かつ安定化させることである。 解説 1)ローラ搬送の原理原則 ・ローラ搬送の場合、搬送機能の原理は搬送物を移動させる摩擦力の制御である。 ・即ち、搬送用駆動モーターの回転力が搬送ローラに伝達され、この搬送ローラにかかる基板の重量と搬送ローラの摩擦係数により接線方向に摩擦力が生じ、その反力で基板は搬送される(図1)。 ・したがって、基板と搬送ローラの接触点で安定した搬送の摩擦力を生じさせる機構設計が原則として要求される。 2)ローラ搬送の原理安定化 ・ローラ搬送による基板搬送の安定化には、次のことが重要となる。タグ:
- 軽量化指向に対応するための薄板搬送機構の設計を解説する。ガラス基板の搬送機構は、ローラ搬送(図1)とウォーキングビーム搬送(図2)の2つが主に利用されるが、ここではローラ搬送機構を対象としている。 1)機械設計の差別化のポイント(原理原則の追究) 搬送機構はその機能が高い汎用性を持つため、どの搬送機もほとんど似た構造に収斂されてくる。しかし、より一層の高機能化が必要となった時に、原理原則を理解し設計に盛り込んだ機械は、そのまま使用可能か多少の改良程度で対応が可能となる。この早い対応力を潜在的に持った機械は、短納期が求められる製品開発競争を支える重要な差別化力となる。タグ:
- 概要 ガラス基板を加工テーブル上に真空吸引で把持させる場合、ガラス基板自体のそりの影響で、安定して吸引把持できない事故がある。ここでは、そりを持つガラス基板を安定して真空吸引するための生産技術を解説した。 解説 (1)ガラス基板のそりと真空吸引把持 ・ガラス基板をケミカルプロセスや位置決め調整の自動化ラインに投入する場合、ガラス基板自体のそりの形状や大きさに対応できる工法を採用しないと色々な搬送トラブルや加工トラブルに繋がる。 ・過去記事で解説した様に、ガラス基板のそりの形状で基板の真空吸引把持の効き具合が大きく影響する。 ・ガラス基板は、生産ロット毎に基板のそりにバラツキを持つ。これは、ガラス基板の生産プロセスで生じた表面と裏面の残留応力の差によるもので、凹状そり、凸状そり、複合そりに分類できる(図1) ・この多様なそり状態のガラス基板を安定して真空吸引把持できなければならない。タグ:
- 概要 ・精密な位置決めを実現する前提条件の一つとしてワークの確実な把持が必要となる。ガラス基板やシリコンウェハなどの薄板状ワークは機械的な把持機構の採用が難しいためテーブル上面での真空吸引法が多用される。この方式の場合、ワークをテーブルに移載した時点での薄板ワークの平坦状態で真空吸引が効かない場合がある。採用ワークの平坦精度の規格化、または、機構的にワークを押し付けて真空吸引する対応で安定した真空吸引を実現できる。タグ:
- 概要 ・高精度に位置決めした後に高温高圧処理で圧着接合する作業の場合、圧着部品の板厚バラツキを位置調整機構で吸収し圧着品質を確保している。この位置調整では、圧着部品の平行状態を変えずに高さ調整できるシンプルな機構が必要となる。平行バネの考えを利用したシンプルな高さ調整機構を解説する。タグ:
- 概要 機種切り替えを伴う顕微鏡での精密位置決め作業において、顕微鏡のテーブル上で位置決め治具の設置位置が簡単に調整できる精密位置決め用治具構造の解説を前号で行った。ここでは、この顕微鏡との直角精度の簡単な調整方法とそのための直角ゲージについて解説する。 解説 2個の部品の精密位置調整に顕微鏡を用いて行う場合の精密位置調整治具ついては別記事にて解説した(図1)。多機種化対応の場合は、機種毎に専用の位置決め用プレートを製作することで短時間に機種切り替えが可能。 この場合、顕微鏡の光軸と機種毎の専用位置決めプレートの基準面との直角精度を正確に調整しなければ精密位置決めの精度は保障できない。 専用位置決めプレートには、3個の精密調整ねじによる平行調整機構を持たせており、この3個の精密調整ねじの調整で顕微鏡の光軸との直角精度の調整が可能。タグ:
- 概要 ・機種切り替えを伴う顕微鏡での精密位置決め作業において、顕微鏡のテーブル上で位置決め治具の設置位置調整が簡単な精密位置決め治具を解説する。精密位置決め治具のベースプレート形状を標準化させ、このベースプレートに3か所の平行調整機構を持たせることで短時間に高精度な顕微鏡位置決めの機種切り替えが可能となる。 解説 ・2個の部品の精密位置調整に顕微鏡を用いて位置決めを行うことがある(図1)。 ・機種切り替えが伴う作業の場合、顕微鏡の光軸と精密位置調整治具との直角精度の調整が難しい。 ・顕微鏡テーブル上に、機種切り替えが簡単な精密位置調整治具を装着できる構造とすることで、高精度位置決め作業を短時間に切り替えできる。 ・顕微鏡テーブル上での精密位置調整治具が持つべき構造特徴は次の項目である。タグ: