仕様書には3種類あると前号で説明しました。このうち、購入仕様書が最初の仕様書となるため、これをテーマに解説します。

購入仕様書の記載項目

 次の項目が記載されます。下記項目の(1)~(10)は技術担当者が、(11)~(13)は購買担当がそれぞれ作成する役割になります。

番号 購入仕様書記載項目 備考
(1) 品名 購入品の名称
(2) 用途 使用目的など
(例:試作機と量産機ではかなり異なってきます)
(3) 納期 表現方法
a)発注後**ケ月<リスクが少ない表記法>、b)年月日
(4) 納入場所 輸送手段などに関係します
(5) 仕様 具体的な仕様項目を記述した部分で、仕様書の中心部分
(6) 付属品一覧 購入品本体に付属して納品される内容
(例:図面、部品表、操作マニュアル類、スペアパーツなど)
(7) 支給品 購入者側が無償支給する項目
(例:支給品、テストピースなど)
(8) 塗装 塗装色、塗装方法の指定
(色の指定をしないと相手の都合で塗装され、工場内の設備の色に統一性がなくなります)
(9) 受入条件 仕様書通りに製作されているかを検査する手法の解説内容
(解説:a)工場出荷検査、b)納入場所での据え付け後検査など装置の種類で選択します)
(10) 梱包方法 移送時と保管時のトラブルを避けるための梱包方法(保証)を記載
(解説:運送屋は自動機の素人なので、予期せぬ事故を回避するため)
(11) 保証 引き渡し後のトラブルに対する保証内容と保証期間の明記
(12) 見積もり条件 見積もりの範囲(何までが含まれるか)、提出書類、見積期限など
(13) 支払条件 相手方との関係等で購買部門(または経理)が主幹で決定

 受注希望者は上記の購入仕様書の内容に従い、製作物品を検討し見積仕様書を作成します。したがって、見積もり金額に影響を及ぼす項目は、もれなく明記しておく必要があります。

■購入仕様書にまつわるトラブルの例
 大規模な設備の場合、外部購入費の支払いに時間を要すためトラブルが起きやすい。
  • 購入者側は設備製作の後に仕様書の性能を満足したことを確認して支払いを行う。
  • 受注企業は設計製作メーカーだが、設備に組付ける開発ユニットAは専門企業からの購入品。
  • 開発ユニットAの製作企業は納品後に速やかに売却金額をもらいたい。(設備完成まで待てない)
トラブル内容
 開発ユニットAの支払いは受注企業の処理となるが、ユニットAの支払い時期と設備完成後の入金時期が大幅に違う場合、受注企業の負担になる。

 この様な場合、a)支払は受注企業の責任とする、b)支払条件に両者が合意できる内容を記載する、c)技術担当がユニット単体の検査仕様を決め、ユニット単体の性能確認の結果で支払いを前倒しする、などの方法を購入仕様書に明記するのが好ましい。