(1)自然冷気の活用
アルミニウムの陽極酸化処理工場など、電解浴の冷却装置と「冷水貯槽」を有する工場では、冬季の外気温度を利用して冷水をつくることができます。
冬季の外気温度は、地域によって異なりますから、この方法が採用できない地域もありますが、寒くなるところであれば、採用は可能です。
自然冷気の活用システムを【図1】に示します。このシステムの基本は、冷水貯槽の冷水を、クーリングタワーを使って自然冷気で冷却することでありますが、特別な装置の増設は必要ありません。冷凍機の蒸発器側の冷水ポンプの出口を、クーリングタワーに接続して、直接大気で冷却する回路を設ければよいのです。
運転時間は、外気温度と冷却負荷と冷水貯槽容量との関係によりますが、小規模工場では、厳寒期には、冷凍電力は殆ど不要になります。また、外気温度の最も低い、夜間や朝方の運転によって効率よく冷水が得られますし、凍結防止対策にもなり一石二鳥です。
実施例を【図2】に示しました。図中、交流サインカーブのように規則正しく変化しているのが外気温度です。そして、10℃に保持されているのが、冷水温度です。このように僅かな電力で、陽極酸化処理の浴温管理を行うことができます。