金属イオン含有排水は、【図1】に示すような工程によって処理されます。沈降槽に沈下したスラッジは、定期的に汚泥ポンプでスラッジ濃縮槽に送られ、スラッジ固形分を濃縮します。これをスラリーといいます。脱水機は固形分の脱水を目的にしたもので、ろ過機のように濾過水を得ることが目的ではないので、固形分が多いほど脱水効率がよいのです。
スラッジ脱水装置には、真空ろ過機、遠心分離機なども使われますが、最も一般的なものがフィルタープレスです(【図2】)。
濾枠と濾布を交互に組合せた濾過装置の間に、ポンプで濃縮スラリーを圧入して、濾枠内に脱水スラッジを生成させます。濾過性の悪いスラリーには濾過助剤を添加して、濾過効果を高めます。 このようにして得られる脱水スラッジの含水率は、スラリーの種類やスラリー圧入圧力によって異なりますが、大体95%程度のものが得られます。これはしっかりと手で握っても手が僅かに汚れる程度です。それでも重量で95%は水です。