ここでは、従来不可能であった新しいめっき技術をみてみましょう。
高機能性ガラスへのめっき
石英ガラス、硼硅酸ガラス(パイレックス)など高機能ガラスの特性を生かしながら、他の金属やセラミックスと接合したり、表面に電子回路や電極を形成するために、直接無電解めっきを行います。
従来、ガラス表面へのめっきは、真空蒸着やスパッタリングなどの乾式めっきが行なわれていましたが、ガラスとの密着性が良好でないことや、コストの高いことが問題でした。
新しいめっき技術は、ガラスの表面を粗面化して、めっき皮膜とのアンカー効果で密着性を高めるのではなく、ガラスとめっき皮膜を化学的に結合する方法です。
ガラス表面を清浄化して湿潤化し、化学的結合を強化する処理を行った後、触媒活性化処理をして無電解ニッケルめっきを施します。
その後、用途に応じて、各種の電気めっきや無電解めっきが施されます。
応用例としては、パイレックスガラス管の内外に、ニッケル・金めっきを施した圧力センサーや、通信用石英光ファイバーの外周に、光の散乱防止やノイズ防止のために無電解ニッケルめっきが施されています。