(1)錫-亜鉛合金めっき
塩水と湿潤雰囲気に優れた耐食性があるといい、とくに錫70%付近で最高の耐食性を示すといわれている。有色クロメート処理を施したものは、膜厚5μmで、塩水噴霧試験1800時間をクリアする。はんだ付け性に優れ、アルミニウムにも直接めっきができる。
亜鉛に比べて錫は高価であるので、必然的にコスト高になる。これを克服する方法として、錫-亜鉛合金めっきを数μm施した後、通常の亜鉛めっき・クロメート処理の多層めっき法が採用されている。
(2)カドミウムめっき
昔は亜鉛と並ぶ防食めっきであったが、カドミウムを原因とするイタイイタイ病発生以来、亜鉛めっきなどに転換され、現在では航空機関係などの表面処理を手がけるところで僅かに行なわれているに過ぎない。
しかし、カドミウムめっきは、海水に対する耐食性は抜群で、クロメート処理品のはんだ付け性も良いので、航空機部品、船舶部品、電機部品に根強い需要がある。