亜鉛めっきは、古くから鉄の防食めっきとして広い分野に用いられてきました。とくに近年、めっき浴やクロメート処理法の進歩によって、耐食性ばかりでなく外観的性能も著しく向上し、装飾的にも用いられるようになりました。
また、亜鉛めっきは安価なことで知られていますが、それは亜鉛めっきに回転めっきが容易に導入できることによるものです。
通常のめっきは、「静止めっき」といって、ラック(冶具)に製品を固定してめっき浴中に入れ、ラックを通じて直流を通電しますが、回転めっき(バレルめっき)は、縦または横型のバレル(樽)の中に製品を入れ、めっき浴中で回転しながら通電されます。製品は樽の中を移動しながら製品同士が通電し合います。従って、回転めっきはラックが不要、脱着不要で大きな省力化・省人化が可能です。
まず、亜鉛めっきの種類からみてみましょう。
【表】亜鉛めっき浴の種類と特徴
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各種亜鉛めっき浴による皮膜の物性には、いろいろ相違があります。めっき後の二次加工性で問題になる皮膜硬度について、エリクセン試験の結果は示します。クラックが発生しているものは、皮膜が硬いことを意味しています。