ダイヤモンドは、宝飾品としての希少価値の他に、現存する物質中で最も硬いことで知られていますが、機械的、電気的、化学的、光学的、熱的特性など、ほかの物質では得ることのできない優れた特性をもっています。
その特性と期待されている応用分野を【表1】に示します。
【表1】ダイヤモンドの特性と期待される応用分野
|
そのため、ダイヤモンド膜の生成が、熱フィラメントCVD法で開発され、続いてマイクロ波プラズマCVD、直流プラズマCVD、高周波プラズマCVD、アーク放電プラズマCVD、アセレントーチによる燃焼炎法などが開発されてきました。 【図1】に熱フィラメントCVDによる成膜法を示しました。 熱フィラメントCVDは、処理物の上に設置されたフィラメントから放出される約2000℃の熱電子によって、反応ガスを励起分解して、ダイヤモンド膜を堆積させるものです。 反応ガスには、通常メタン(CH4:0.5〜2.0%)と水素(H2)が用いられます。生成圧力は10-2Pa程度、堆積速度は0.5〜1μm/hくらいです。 他の方法も、この方法と反応ガスの励起方法や処理温度が異なるだけで、原理は同じです。 |
マイクロ波プラズマCVDによってシリコン基板上にダイヤモンド膜を成膜する場合の、極めて初期に生成されたダイヤモンド粒子を【図2】に示します。 この粒子が成長してダイヤモンド膜を形成します。 |