(2)プラズマCVD
熱CVDの成膜温度を低温化するためにプラズマCVDが開発されました。
直流(Direct Current)プラズマCVDは、【図1】に示すように、ベースと処理物間に直流のグロー放電を起すことによって、ガス反応を促進させ、TiNを500〜550℃の低温で成膜させます。
この方法は、膜表面が、熱CVDよりもはるかに滑らかであること、低温のために処理に伴う処理物の変形の心配がないことが特徴です。
高周波(Radio Frequency)プラズマCVDは、高周波振動によってガス反応を促進するもので、半導体分野のプラズマCVDの主流です。この方法は、構造が最も簡単で、大型化も容易です。処理物を直接高周波振動させる方法と、高周波コイルを使って振動させる方法があります。
マイクロ波プラズマCVDは、ギガヘルツのマイクロ波を、導波管を通じて処理槽に送ります。安定したプラズマが得られること、制御が容易であるなどの特徴がありますが、装置の大型化は困難です。
(3)光CVD
この方法は、光の作用によってガスの分解や反応を促進させて、成膜するものです。通常波長200〜400nmの紫外線を用いてSiO2、TiO2、SiH、ダイヤモンドなどの成膜が可能です。
光源には水銀灯(低圧水銀灯)波長254nm、高圧水銀灯365nm)、エキシマレーザー(ArF194nm、KrF248nm)などが用いられます。ガスの分解や反応は、基板とは無関係に行われるため、装置空間には自由度があり、装置の大型化ができます。