ダイヤモンドは、宝飾品としての希少価値の他に、現存する物質中で最も硬いことで知られていますが、機械的、電気的、化学的、光学的、熱的特性など、ほかの物質では得ることのできない優れた特性をもっています。
 その特性と期待されている応用分野を【表1】に示します。

【表1】ダイヤモンドの特性と期待される応用分野

特性 期待される応用分野
硬度が高い(Hv8,000~10,000) 耐摩耗部品、摺動部品、センサー
弾性率が高い(1.2×1012N/m2) センサー、電子部品、音響部品
熱膨張率が小さい(1×10-6/℃) 放熱部品、耐摩耗部品、摺動部品
熱伝導率が高い(2,100kcal/m・h・℃) 放熱部品、耐摩耗部品、電子部品
電気抵抗が大きい(1013Ωcm以上) 絶縁部品、耐食部品、電子部品
化学薬品に安定(酸、アルカリ) 耐食部品、センサー、電子部品
音速が速い(18,500m/s) センサー、音響部品
赤外線透過率が高い(2.72) 光学部品、装飾品

 そのため、ダイヤモンド膜の生成が、熱フィラメントCVD法で開発され、続いてマイクロ波プラズマCVD、直流プラズマCVD、高周波プラズマCVD、アーク放電プラズマCVD、アセレントーチによる燃焼炎法などが開発されてきました。
 【図1】に熱フィラメントCVDによる成膜法を示しました。
 熱フィラメントCVDは、処理物の上に設置されたフィラメントから放出される約2000℃の熱電子によって、反応ガスを励起分解して、ダイヤモンド膜を堆積させるものです。
 反応ガスには、通常メタン(CH4:0.5~2.0%)と水素(H2)が用いられます。生成圧力は10-2Pa程度、堆積速度は0.5~1μm/hくらいです。
 他の方法も、この方法と反応ガスの励起方法や処理温度が異なるだけで、原理は同じです。
図1

 マイクロ波プラズマCVDによってシリコン基板上にダイヤモンド膜を成膜する場合の、極めて初期に生成されたダイヤモンド粒子を【図2】に示します。
 この粒子が成長してダイヤモンド膜を形成します。
図2