ダイヤモンド状カーボンとは、Diamond Like Carbon (DLC)のことで、ダイヤモンドとよく似た特性をもつ炭素膜であります。成膜法は、【表1】に示すとおり多くの成膜法がありますが、これらの特徴は、様々な方法で生成した炭素イオンを常温に近い低温で基材に叩きつけて成膜することで、成膜時にとくに加熱を必要としないことです。
 また、膜の諸性質は、成膜法により大きく異なりますが、共通的な特徴は、摩擦環境に関係なく摩耗係数が小さいことです。しかも、相手材の影響を殆ど受けないことが大きな特徴です。

【表1】DLC膜の生成方法

炭素供給源主な成膜法
固体炭素アーク放電によるイオンプレーティング
電子ビームによるイオンプレーティング
水素ガスによるマグネトロンスパッタリング
炭化水素系ガス
(CH4,C6H6,C2H2など)
平行平板型高周波プラズマCVD
熱電子衝撃によるイオン化蒸着
高周波または直流によるイオンビーム法

 DLCの特徴をまとめると、【表2】のようになります。

【表2】ダイヤモンドライクカーボンの特徴

高い潤滑性油を使用できない環境でも、摺動性が向上する
低い摩擦係数摩耗係数がμ=0.1と低いため、摺動性が著しく向上する
小さな表面粗さアモルファス構造のため、表面が非常に滑らか
高い硬度硬度がHv3000~5000あるため、耐磨耗性に優れる
ブラックカラー黒色のため、光反射防止目的に使用できる
低温処理200℃以下で処理するため、母材に熱の影響を与えない
剥離処理特別に用意した真空処理で膜の剥離が可能なため、再処理可能

図