Z曲げは曲げ加工の中で少し特殊な存在です。【図1】のような形状を指します。ここでH寸法が被加工材板厚の5倍以下ですと、Z形状を1回で作ることが可能です。ただし、曲げ半径1、2が小さいときや、曲げ線が被加工材の圧延方向と平行な場合では、H寸法が5倍以下でも割れが発生することはあります。
H寸法が板厚の5倍以上になると、2工程曲げとなります。【図2】が標準的な曲げ方法です。1曲げで上方向にL曲げします。2曲げでは下方向にL曲げを行いZ形状を完成させます。
【図3】はV形状パンチで1曲げをします。このとき、1曲げ部分を完成させます。2曲げ予備部はK度で曲げますが、おおよそ45度(135度)を中心に考えますが、1曲げとの関係でK度を調節します。2曲げは予備曲げ部を更に曲げて形状を完成させます。
1工程曲げで加工するときと、2工程曲げで加工するときでは曲げの展開方法が違いますから、加工工程を決めてから展開計算をします。