単体部品ではなく、部品相互の関係からの部品設計について解説します。
【図1】はリフターガイドの設計を示しています。リフターガイドは材料の幅をガイドすると共に材料を送り線高さに保持する役割を持たせます。そのためスプリングで保持します。スプリングの強さは材料を持ち上げることができ、材料送りの際や上型が下降してくる間に材料がふわふわすることなく保持できる強さがイメージです。あまり強すぎるのも良くありません。
リフターはストリッパによって押し下げられます。ストリッパにはリフターガイドの頭部を沈ませ、ストリッパ面が材料に軽く接しながら押し下げられるようにザグリをします。ザグリ深さ(Z)にバラツクがないようにします。
材料がダイ面に接したときに、リフターガイドと材料の関係は、拡大で示したように、リフターガイドの溝部分の中間に材料があるようにします。このようにしておかないと、リフターで材料にキズを付けることになります。
【図2】はストッパとなるストップブロックですが、材料突き当てができるようにダイ面より凸にします。この例の場合であれば、5〜8mm程度でしょう。この面は切断された材料(製品)が接して、下がっていく面でもあります。途中から逃がしを付け、製品が落ちやすくします。また、このストップブロックは、切断パンチのバックアップの役割も持ちます。パンチとのすきまは0.01mm程度とします。ストップブロックは平面図でダイ幅より大きくしてありますが、これは、ストップブロックの組立を安定させるためです。
【図3】はパイロットの設計に関係する部分を示しています。
(a)では、ストリッパプレートと穴抜きパンチとパイロットの関係が分かります。穴抜きパンチはストリッパ面より0.5〜1mm程度下がってなければいけません。パイロットはストリッパ面より平行部分が1〜2mm程度出ていなければいけません。この関係によりパイロットの長さが決まります。
(b)は、上型が下降してパイロットが働いた状態を示しています。リフトアップされた材料にパイロットが入り材料を動かします。リフターガイドの配置が悪いと材料を支えきれずに材料がたわんでしまうことがあります。
拡大図は、材料とパイロットの関係を示したものですが、パイロットの平行部はパイロット穴のせん断面に作用しますから、材料の板厚が厚いときには、ストリッパ面からパイロットの平行部が出ている量は、板厚以下でもよくなります。