「これからのLCA(ローコストオートメーション)」として「加工」の要素作業のLCAを解説してきました。今回はそれらのまとめです。
(1)要素作業とLCA
各要素作業(移動、位置決め、加工、検査、梱包、保管)のなかで付加価値を生むのは「加工」です。したがって、LCAのポイントは「加工」にあります。
一方、移動、位置決め、検査の要素作業は人間が不得意な1. 精確さ、2. 持続性、3. 情報処理速度などを必要とするため機械化・自動化の重要なテーマといえます。
(2)要素作業とLCA
新製品開発の試作や生産準備の段階では、多くの予期せぬ問題が生じます。この解決には、多くの現場経験や製品・部品の知識を有したベテラン技能者が特に力を発揮します。このことから新製品段階のLCAは、ベテラン技能者の総合判断能力を活用するハードウェア(治具、簡易自動機、簡易検査器)が発想の基本です。賢いLCAの追究がテーマです。
(3)究極のLCAとは
ベテラン技能者の総合判断能力(学習能力を含む)と機械の特徴(前述)を兼ね備えたソフトウェアとハードウェアの手段が「究極のLCA」と考えられます。
■例
エレクトロニクス製品のはんだ付け作業の研究では、はんだ溶融状態を複数台の画像センサーを用いて並列高速演算し流動状態を定量データー化させ、ベテラン技能者の感覚(立体形状、光沢など)のように判断させる試みが進められています。