一般的な軸受は潤滑油を必要とし、定期的に給油が必要になる。しかし無給油ブッシュは、自己潤滑性がある材質を使うことで、無給油で使用できる。その潤滑の仕組みは、潤滑油を含浸させた素材を使い、摩擦熱によって温められた潤滑油が溶け出して潤滑をするのが一般的である。
無給油ブッシュで使われる材質は、「金属」「複層」「樹脂」に分けられている。「金属」はその名の通り金属だけでできているもの。「樹脂」は、樹脂だけでできているものである。「複層」は、1種類の材質ではなく、いくつかの材質の良いところだけを取るような構造でできている。材質によって異なる特徴と潤滑の仕組みについて、表1にまとめる。
表1.材質別の特徴と潤滑の仕組み
材質 | タイプ | 形状 | 潤滑の仕組み | 特徴 |
---|---|---|---|---|
金属 | 銅合金 | グラファイトを銅合金に埋め込んだ潤滑特性を持たせ、グラファイト内に充填された潤滑油が軸受け隙間において潤滑効果を発揮している。 | 高温、耐食性、耐衝撃性が優れていて、高荷重で低速負荷での使用に適している。 | |
青銅 | 古典的なすべり軸受け材料である潤滑特性の良い銅とスズが主成分の青銅を用いた材料で、青銅鋳物のポーラスに潤滑油を含浸保持し、潤滑効果を発揮している。 | 対焼き付き性が高く、微小移動、低荷重、拘束運動などでの使用に適している。 | ||
鋳物 | 摩擦特性の良い黒鉛を含んだ球状黒鉛鋳鉄で、C、Si、Mnが主成分である。固体潤滑剤の二硫化モリブデンを分散、もしくは螺旋状に内側へ埋込んで潤滑効果を発揮している。 | 中荷重で低速運動での使用に適している。 | ||
複層 | ドライ | 摺動面である層に潤滑材を充填して潤滑効果を発揮している。 | 低コストでの作成ができ、高温特性が高く、高荷重で低速運動の使用に適している。 | |
樹脂 | 樹脂 | 樹脂は、金属を全く使用しないため、錆びることがなく軽量で金属製のおよそ7分の1である。樹脂材料に潤滑油を含有させることで、潤滑効果を発揮している。材質によっては耐摩耗充填剤・固体潤滑剤を添加して潤滑機能を持たせているタイプも存在する。 | 低コストで作成でき、高温での使用に向いている。耐薬品性が高く、低荷重で高速運動での使用に適している。 |
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