無給油ブッシュのフランジタイプに関する特徴や使用する上での注意点を説明する。
フランジタイプの無給油ブッシュを使った組み立て事例
図1の事例では、固定版と無給油ブッシュとをしっかりと固定しておき、移動板と軸に隙間を作って動けるように取り付ける。
図1.フランジタイプの無給油ブッシュの取付構造
固定方法は、無給油ブッシュと固定板を無給油ブッシュの内径で位置決めして無給油ブッシュ固定ねじで固定する。ハウジングと軸を止めねじで固定する。移動板を両部品の間に配置し、軸とハウジングを一体化した部品の軸部を無給油ブッシュの軸受け穴に入れる。移動板と軸のすき間を調整して、移動板がスムーズに動く位置でハウジング固定ねじを固定する。
図2の事例では、図1の事例と違い、無給油ブッシュと固定板に隙間を作って動けるように取り付ける。
図2.フランジタイプの無給油ブッシュの取付構造
固定方法は、移動板と軸を止めねじでしっかりと固定。無給油ブッシュを固定版にはめ、上部から軸と移動板が一体化した部品を差し込む。固定板と無給油ブッシュのすき間を調整して移動板がスムーズに動く位置で無給油ブッシュをねじ固定する。
どちらの場合でも、移動板がスムーズに動くように軸心を合わせて隙間を調整することが必要である。また、無給油ブッシュと軸の固定板や移動板に対する直角度は部品精度で確保するか、組立で精度を確保する必要がある。
フランジタイプの無給油ブッシュとは
フランジタイプの無給油ブッシュは、ブッシュにフランジが付いているタイプである。フランジには取付け穴が付いているタイプと、ついていないタイプ(ツバ付)がある。フランジ部は円形や角型などの形状があり、取付け穴は一般的にザグリ穴となっているため、ねじ頭部が隠れる構造になっている。無給油ブッシュと相手材がねじ固定されて一体となるため、高い剛性が実現可能である。取付け穴が無いタイプでは、圧入などでハウジングに組み付ける。
フランジタイプの無給油ブッシュメリット・デメリット
フランジタイプの中で、取付け穴があるタイプは取付けがしやすく、組み立て時間の短縮が図れ、設計を簡単にすることができる。フランジで直接取り付けられるため、ブッシュの剛性も高くなる。デメリットとして、取付けサイズが決まっているため、それに合わせたハウジングユニットや固定板を作らなければならない。つまり、設計の自由度が下がる。
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