無給油ブッシュを選定する際、仕様値である荷重と速度を満足させなければならない。また、仕様実現に伴って生じる組立性も合わせて実現可能なることを確認しておかなければならない。ユーザーが事前に決める項目と内容、検討の手順を表1に示す。
表1.金属 種類別特徴
項目 | 内容 | 検討の手順 |
---|---|---|
面圧(P値) (N/mm2) |
無給油ブッシュにかかる面圧(P値)を設計する | ①無給油ブッシュにかかる最大荷重を算出する。 ②無給油ブッシュの内径と長さを決定する。 ③最大荷重÷( 内径×長さ ) を算出する。 |
速度(V値) (m/s) |
運動形態を決め、無給油ブッシュに対する軸の速度(V値)を設計する | ①運動形態を「直動」「回転」「揺動」のいずれになるか設定する。 ②運動形態毎に必要な値を算出し、計算する。 例)運動形態:直動(往復運動)、往復サイクル速度:2サイクル/秒(=120サイクル/分)、ストローク距離:40mm V (m/秒)= 2(サイクル/秒)×2(往復/サイクル)×40(mm)/1000 = 0.16(m/秒) |
PV値 (N/mm2・m/S) |
面圧(P値)と速度(V値)との積 | 面圧(P値)と速度(V値)との積を求める。 P値、V値、PV値が許容範囲内の無給油ブッシュを選定する。 |
環境 | 使用する環境条件を決め、適合する無給油ブッシュを選定する | 薬液中等、特殊環境で使用する場合はメーカーに技術データがあるか確認した上で検討する。 |
相手材 | 軸の材質、硬さ、表面粗さを設計する | 無給油ブッシュの種類、面圧から適切な能力の軸を選定する。 |
組立方法 | 軸とブッシュの構造、および組立手順を決める | ①ブッシュを目的の部品に取り付ける際の固定法(圧入、ねじ固定)です。 ②ブッシュが滑る軸との仕様隙間を実現する調整法です。 ③軸の面取りなどの組立性を向上する配慮を構造に反映です。 |
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