無給油ブッシュの内径と軸の外径の差であるすき間は無給油ブッシュによる案内動作に影響を及ぼす。この項目と内容について表1に示す。
表1.無給油ブッシュ内径と軸外径のすき間の影響
項目 | 内容 |
---|---|
摩擦係数 | 摩擦係数はすき間が小さくなれば大きくなり、動きが渋くなる。この動きが渋くならない公差の確保と隙間が確保できる取付構造とする |
摩擦熱 | 10μm以下のすき間は摩擦係数が高く、摩擦熱も大きくなるため使用しない |
熱変形 | 樹脂製の軸受材は温度上昇時の熱膨張率が金属と比較して一桁大きいため、その現象を考慮した使い方とする |
軸受すき間は精度によって使い分けを行う。無給油ブッシュの内径はメーカーの製品によって異なるが、F7やG6の公差で加工されている製品が多い。このF7に対して以下のように軸径を使い分ける。
通常使用(高負荷):d8
通常使用(軽負荷):e7
高精度使用:f8, f7, g6
また軸の硬度や表面粗さも摩擦係数、焼き付きに大きく影響する。無給油ブッシュ金属タイプであれば1.6a以下・HB150以上、樹脂・複層タイプであれば0.8a以下・HB120以上が一般的だが、メーカーの技術情報に従ってそれぞれ選定することをおすすめする。最後に無給油ブッシュと軸の位置関係で発生する可能性がある事例と適切な使用方法を図1に示す。
図1.無給油ブッシュと回転軸の軸方向長さの取り合い(ブッシュ内径段差発生事例)
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材質(金属)から探す | 青銅 黄銅 鋳鉄 スチール焼結 |
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材質(複層系)から探す | スチール・青銅焼結・四フッ化エチレン スチール・青銅焼結・ポリアセタール スチール・銅系焼結合金 金属メッシュ・四フッ化エチレン アルミニウム・ふっ素樹脂 ポリアセタール |
取付軸はめあいから探す | d8 e7 g6 h6 h7 h9 f8 f7 |
取付穴はめあいから探す | G7 H6 H7 M7 |
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