LCA(ローコストオートメーション)を効果的に実行するためには、まず「良い設計」の思想を理解した上で、LCAの構想を行う必要があります。
LCAの「良い設計」について考えてみましょう。
設計製作されるLCAを評価する最も身近なユーザーは、それを使用する製造現場のオペレータです。したがって、LCA設計者は、オペレータに対して「良い」提案ができる能力が最も必要となります。そのためには下記の能力がLCA設計者には必要です。
- 製品について知識がある
- 製品の製造プロセスとその作業内容に熟知している
- 製品のコスト構成が理解できる
- 関連する生産技術についての見識を持っている(または、理解できる)
また、「良い」という表現の言葉は、その時代のニーズに応じてさまざまに変転しています。初期の自動化以降、投資対生産性効果のコストパフォーマンスを評価基準とする企業完結的な視点が主でしたが、最近では、社会システム(例えば、廃棄処分費用)への影響度も評価視点として問われています。代表例として、ライフサイクルコスト(LCC:注記-1参照)の項目も重要な検討課題となりました。
※ | 注記-1 ライフサイクルコスト(LCC : Life Cycle Cost) ハードウェアの開発製作から廃棄処分するまでに要するトータルのコストパフォーマンスを評価する考えです。下記の式で定量評価が行われます。 |
したがって、LCA設計者は身近なオペレータからのニーズと併せて、社会システムとの関連も含め効果的な設計をする必要があります。機能面で含まれるべきキーワードと「良い」LCAは次の項目に集約できます。
|