機能めっきのその他の特性は、次の通りです。
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(1)難燃性
一般にプラスチックの欠点は熱に弱いことですが、これを金属めっき皮膜で被覆することによって、熱に対する弱さを補っています。これは同時に、プラスチック部品に電導性や抗菌性・汚染防止性・装飾性・長寿命などの特性を付与します。
(2)海水腐食防止性
海水中あるいは塩分に対する耐食性と防食性のことで、船舶部品、海底通信機器、建設・土木機械、海岸沿線の通信機材などに要求される特性です。 一般に防食用にはカドミウムめっきが用いられますが、海底通信線の中継器など高い信頼性が求められるものには、錫-鉛合金めっき、金めっき、白金めっきが利用されています。 |
(3)浸炭防止性
回転部分に用いられる機械部品には、耐磨耗性を高めるために浸炭焼入れ処理が行なわれ硬度を高めます。浸炭とは文字とおり、低炭素鋼の表面に炭素を拡散させて部分的に焼き入れ可能な鋼にすることです。このとき浸炭したくない部分には銅めっきを施すと浸炭を防止できます。
(4)写実・再現性
原型を忠実に再現できる特性で、厚いめっきや電鋳で信頼性の高い再現性が実現できます。美術工芸品、仏具、レリーフなど、アーティストがデザインした原型を忠実に電鋳で再現させたり、工業面では、電波の導波管や金属ベローズ、電気カミソリの刃や網蓋を電鋳で成形したり、レコードやCD-ROMのスタンパーなどに銅・銀・ニッケルなどの電鋳が活躍しています。