【図1】を参照しながら解説します。
ダイホルダーはダイプレートの下に配置されます。ダイにかかる加工力を受けたり、ダイ面の高さを調節して材料の送り線高さとの関係を保つことを行ったりします。
また、ダイで抜かれた被加工材(材料)を通過させることをします。通過する材料(スクラップまたは製品)の大きさに合わせ穴を加工します(製品を落とすこともありますが、かす落とし穴と呼びます)。
かす落とし穴は、通過する材料形状に比べて大きめとします。丸穴であれば、径の3〜4倍位です。落ちる材料が連なって落ちた場合でも、かす落とし穴に引っかかって、かす詰まりすることがないような大きさとします。
できるだけ太い工具で加工できるようにします。小さい穴が接近して固まっているようなときには、まとめて処理することもあります。ダイホルダーは厚さがあります。工具と穴加工深さの関係では、加工深さは工具径の3倍以下が効率がよく、経済的とされています。
切り欠きやブランク抜きでダイ形状に、凸形状があるときには、ダイホルダーも凸形状に合わせて穴を作り、弱い部分をバックアップするようにします。
パイロット穴のように材料が通過することのない穴でも、ダイホルダーには穴を開けておくのがよいです。ミスパンチで抜きかすが入り込んだり、加工油がたまったりすることを防ぐためです。
上型と下型の関係を保つ(刃合わせ)ために、ガイドポスト・ブシュを使いますが、ガイドポスト・ブシュはホルダーに作られます。一般的にはダイホルダー側にガイドポスト(ポスト)が立てられます。
【図2】は、ポスト配置の標準的なパターンを示しています。
【図2】(a)は、F形(フォアポスト)と呼びます。順送り金型の標準的なポスト配置といえます。
【図2】(b)は、D形(ダイアゴナルポスト)と呼ばれ、小さな順送り型に採用されます。
【図2】(c)は、B形(バックポスト)です。前と左右が開いているので作業はしやすいのですが、上型のポストの無い側が下がる傾向があり、金型寿命はよくないとされています。
【図2】(d)は、C形(センターポスト)です。単工程型にはよく使われますが、順送り形では使うことは少ないです。
以上は標準的なポスト配置です。順送り型では、ステージ数が多くなると金型が長くなります。このようなときには、4本ポストにさらに追加して6本ポストやそれ以上にしたりすることもあります。
ダイホルダーは、下型全体を支える大事な部品です。