(1)プレス加工の自動化
プレス加工の自動化を大きく分類すると次のように表現できます。
1)プレス材料供給の自動化2)単発プレスの自動化(順送プレス化)
3)プレス工程間の搬送作業の自動化
1)~3)の項目では、項目(2)はプレス金型設計者の専門技術が必要となるため自動化の対象は1)、3)と言えます。1)と3)の自動化により、プレス精度(品質)、変形防止、生産性や安全性などの効果が得られます。
(2)プレス加工の自動化と品質
項目1)、3)の自動化により次の項目の品質向上が得られます。
(1)材料送り長さの安定化によるプレス精度のバラツキ低減(2)プレス工程間の搬送によるプレス品の変形低減
プレス加工品は複雑形状品が多いことや、バリやかえりが残るなどの特徴があるためプレス品の自動化を難しくします。したがって、自動化しやすいプレス品の形状設計(非対称形状化など)が特に重要です。
(3)プレス加工の自動化の留意点の事例
・材料送りの自動化では、材料ガイドの形状設計と設置状態が重要です。材料ガイドはコイル材を金型に対して適切に保持し供給する機能を持ちます。
・材料ガイドの幅と高さはコイル材寸法に対して+0.02~+0.03程度が一般的には適切です。
・プレス材料には、ねじれ、そり、スリット幅バラツキなどの搬送変動要因が避けられません。
・材料ガイド部品の摩耗によるガイド部のガタ拡大や油の有無による摩擦抵抗の変動などが材料供給の不安定につながります。
((株)南雲製作所カタログより) |