搬送機構を設計することはラインコンセプトを実現することを意味します。ここではラインコンセプトを解説します。

(1)ラインコンセプトとは

 ラインコンセプトとは実現するラインの基本思想です。コンセプトは将来を見据えて「どうあるべきか」を簡潔に示すもので、最もオリジナリティを発揮すべき次元の課題です。

■例1. 高度情報社会のツールコンセプト

 「いつでも、どこでも、だれとでも」アラン・ケイの提唱
 PC → PDA → 携帯電話・・の発展の方向性を示すもの

■例2. マイクロマシンのツールコンセプト

 マイクロメカニズムをLSI設計思想のように集積化し画期的な機構素子を目指すもの

(2)ラインコンセプトとは

 コンピューター制御を前提とするFA方式の生産ラインでも、セル生産方式の生産ラインでも、現時点ではユーザーの要望(市場ニーズ)から生産ラインのキーワードは次のものがあげられます。

生産ラインのキーワード 解説
はやい
・ 変化への対応が早い:
ライン切り替え、操作習熟、トラブルシュートなど
・ 要素作業時間(タクト)がはやいことも重要ですが、その他にも色々な狙いが含まれます。
軽い
・ 重量の軽さ:生産改善時のレイアウト変更のしやすさ
・ 改良の気軽さ:作業者の発想の取り込みやすさ など
・ 設備償却負担の軽さ:
フレキシブル ・多機種への対応性:
・作業者の特徴への対応性:身長差 など
ローコスト ・稼働率が低くても負担にならない

 一方、地球環境問題の提唱などの背景から、少しずつですがこれまでの消費文化にも変化がうかがえます。気に入った物を大切に長く使用する風潮も感じられます。

 世の中の動向を予測し、機械設計者の皆さん一人一人が、今後の生産ラインコンセプトを仮説として持つことも大切です。