生産で取り上げる「流れ」には、「ものの流れ」と「情報の流れ」があります。これ以降、「ものの流れ:搬送」とそのLCA(ローコストオートメーション)を解説します。
(1)搬送とは
素材や部品、半製品などの品物に場所的な変化が与えられて移動している状態が「搬送」です。マテリアル・ハンドリング(略してマテハン)の言い方で専用機ユニットが呼ばれます。
一人組み立てなどのセル生産ユニットでは、人手で行われる移動がこれにあたり、ここでも支援的なLCAは要求されます。
(2)搬送とは
搬送のLCAの重要性を列記します。
1. ほとんど全てのラインに必要
1プロセスで投入から生産完了まで行われるラインはない
2. 一品一様の搬送機構が必要
搬送対象が形・重量・性質(固体、粉体、流体等)と千差万別
3. 全体レイアウトに影響が大
搬送機構の配置が全レイアウトをほぼ決定する
反面、不適切な搬送は下記の問題を生じさせます。
*投資ロス *スペースロス *フレキシビリティロス *故障率増大
(3)機械設計者が考えるべきこと
FA方式では、搬送機の設置スペースや搬送時間のムダを省くために工作機械はMC(マシニングセンター)化し、1加工ステーションで多機能加工を行う動向にあります。しかし多機能化は、複雑性、専用性、高額な装置となりがちなためLCA的発想の搬送ユニットによる全体最適化が必要です。
セル生産方式の搬送LCA機構では、人間工学の視点を盛り込み設計する必要があります。
■両者ともに、機械設計者が考えるべきこと
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