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光電センサの仕組みと出力方式|検出方式・NPN/PNP・距離設定型

光電センサの検出方式、出力方式、距離設定型の基本仕様を技術面から解説します。発光・受光素子、しきい値処理、NPN/PNP出力、BGS/FGSの考え方を理解することで、機種選定や配線確認、トラブル対応の基本を把握できます。仕様が決まっている方は下の帯から商品を絞り込めます。

仕様から光電・ファイバーセンサを絞り込む

このページの目次

光電センサの構成部品:発光・受光・増幅回路・出力回路

光電センサはセンサヘッド(投受光部)と制御回路部(アンプ部)で構成されます。一体型(ヘッドとアンプが一体)とアンプ分離型(ファイバーセンサなど)があります。

発光素子(LED・レーザダイオード)

発光素子には赤外LED(850~950nm)、赤色可視LED(650nm)、緑色LED(530nm)、レーザダイオード(670nm・780nmなど)が使用されます。LEDは半導体素子に電流を流すと発光するダイオードです。光電センサでは変調(パルス点滅)した光を投光することで外乱光と区別できます。変調周波数は機種によって異なり(数kHz~数十kHz)、隣接センサとの干渉を防ぐために使い分ける場合もあります。

レーザダイオードはLEDよりも指向性が高く、小径スポットを形成しやすいため、微小物体検出や位置決め用途に適しています。ただし、使用にあたっては安全クラスの確認が必要です(クラス1・2・3Rが一般的(3B以上の高出力品は特別な安全対策が必要))。

受光素子(フォトトランジスタ・フォトダイオード)

受光素子には光電効果を利用したフォトダイオードまたはフォトトランジスタが使用されます。フォトダイオードは高速応答に適し、フォトトランジスタはフォトダイオードよりも電流増幅率が高く感度が高い反面、応答速度はやや遅くなります。

受光素子の前面には光学フィルタが設けられ、投光波長以外の不要な光(外乱光)を減衰させて受光素子が検出する変調光の信号対雑音比(S/N比)を向上させています。

増幅回路・比較回路・ヒステリシス

受光素子からの微弱な電流信号は増幅回路(オペアンプ等)で増幅された後、比較回路(コンパレータ)でしきい値レベルと比較されます。受光量がしきい値を上回れば「受光状態(光あり)」、下回れば「遮光状態(光なし)」として出力が切り替わります。

ヒステリシスとは、ONしきい値とOFFしきい値を意図的に分けることで、検出境界付近での出力チャタリング(微細な振動による出力の不安定なON/OFF繰り返し)を防止する機能です。ヒステリシス幅が大きいほどチャタリングに強くなりますが、検出精度は低下します。

光電センサの電気的仕組み:投光量としきい値

投受光量の関係としきい値レベル

透過型センサでは、ビームが遮断されていない状態では受光量が大きく、ワークがビームを遮ると受光量が低下します。センサ内部では、受光量をあらかじめ設定したしきい値と比較し、受光状態または遮光状態を判定します。実際の出力は、ライトON/ダークONなどの出力設定に応じて切り替わります。しきい値は、感度調整ボリュームやティーチング機能によって設定されます。

安定した検出には、レンズ汚れ、光軸ずれ、検出対象のばらつきがあっても判定が反転しないだけの受光量余裕が必要です。受光量の余裕は、メーカーが用意している安定表示灯やデジタル表示、マージン表示などを確認して判断します。

受光量の余裕度(マージン)とは、しきい値に対して、実際の受光量がどれだけ上回っているかを示す比率のことです。余裕度が大きいほど、レンズ汚れ・光軸ズレ・検出対象の反射率のバラツキに対して安定して動作します。一般に、余裕度が2倍以上(受光量がしきい値の2倍以上)ある状態が安定動作の目安とされます。

受光感度の自動調整(AGC:Auto Gain Control)

一部の高機能センサにはAGC機能が搭載されています。AGCは、受光回路側の増幅率(ゲイン)を自動的に調整する機能です。レンズの汚れや経年劣化による受光量の低下を自動補正し、長期間にわたって安定した検出を維持できます。また、ダイナミックティーチング機能を持つセンサは、ワークが通過する際の受光量変化を自動学習してしきい値を最適設定します。

検出タイプ別の詳細仕様:透過型・回帰反射型・拡散反射型

仕様項目透過型(光軸型)回帰反射型(ミラー反射型)拡散反射型(直接反射型)
標準検出距離0.1m-30m程度(機種による)0.1-10m程度(機種による)数cm-1m程度(機種による)
応答時間0.5ms~数ms(高速品ではμs単位のモデルもあり)0.5ms~数ms0.5ms~数ms
繰返し精度高中条件依存
最小検出対象受光器のレンズ径や有効な光路幅に依存反射板の有効径に依存スポット径、対象物の反射率、検出距離、感度設定に依存
設置の手間大(投受光器の対向設置・両側配線)中(センサとリフレクタの対向設置・片側配線)小(センサのみ・片側配線)

透過型:スポット径・焦点距離・アライメント方法

透過型は投光器と受光器を対向させ、投光ビームが遮断されたときに検出します。スポット径は焦点距離によって変化し、焦点付近で最も細くなります。アライメント(軸合わせ)は、通常受光量モニタ(受光量表示ランプやデジタル表示)を確認しながら受光量が最大になるように投光器・受光器を調整します。取り付けブラケットにルーズな余裕を持たせておくとアライメント後の固定が容易です。

回帰反射型:リフレクタの種類と選び方

回帰反射型のリフレクタ(反射板)にはいくつかの種類があります。標準リフレクタは、コーナーキューブプリズムなどの再帰反射構造により、入射した光を投光方向へ戻します。光沢体を検出する場合は、センサの投光部・受光部に偏光フィルタを内蔵したMSR(Mirror Surface Rejection)機能付きタイプを使用することで、リフレクタから戻る光と光沢面からの正反射光の違いを利用し、鏡面反射による誤検出を抑えやすくなります。リフレクタサイズは検出距離に合わせて選定します(遠距離は大型リフレクタ)。

拡散反射型:BGS(背景抑制)機能の解説

標準の拡散反射型は受光量の絶対値でON/OFFを判断するため、背景(ワーク後方の壁・フレームなど)からの反射光を誤検知する場合があります。BGS(Background Suppression:背景抑制)機能は三角測距の原理を用いて、設定距離よりも遠い背景からの反射光を無視します。これにより検出対象が存在する距離のみを正確に検出できます。

距離設定型(BGS/FGS)の原理と使い方

Background Suppression(背景抑制:BGS)の原理

BGS型センサは、投光スポットが検出対象に当たって反射した光の受光位置(受光素子アレイ上の位置)を利用して距離を計算します(三角測距方式)。近い距離からの反射光は受光素子の一方の端側に結像し、遠い距離からの反射光は別の位置に結像します。設定距離より近い位置(前景)にある物体の反射光のみを「検出」とし、それより遠い位置(背景)からの反射光は「非検出」として扱います。

前景抑制(FGS)との使い分け

FGS(Foreground Suppression:前景抑制)は背景からの戻り光を利用し、背景より手前にある物体によって光が遮られた変化を検出する方式です。BGSで検出しにくい薄い黒色ワークや凹凸・光沢のあるワークに有効な場合がありますが、明るい背景が必要になるなど、使用条件は機種仕様で確認します。BGSとFGSは一部のセンサでは切り替えて使用できます。

出力回路の種類:NPN・PNP・リレー・アナログ

NPN出力(シンク出力)とPNP出力(ソース出力)

光電センサのトランジスタ出力には「NPN(エヌピーエヌ)」と「PNP(ピーエヌピー)」の2種類があります。NPN出力はON時に出力端子を0V側へ引き込むシンク出力、PNP出力はON時に出力端子へ+Vを供給するソース出力です。

接続するPLC・シーケンサの入力仕様に合わせて、NPN出力またはPNP出力を選定します。一般に、NPN出力はプラスコモン入力、PNP出力はマイナスコモン入力のPLCと組み合わせます。日本国内ではNPN出力、欧州・海外製はPNP出力が多い傾向にありますが、実際の配線では、PLC入力回路、コモン配線、電源電圧、負荷電流を必ず確認してください。NPN/PNP切り替え機能付きのセンサも存在します。

リレー出力

リレー出力センサはON時に内部リレーの接点を閉じる(または開く)出力形式です。AC/DC両対応で高い電圧・電流を制御できますが、応答速度はトランジスタ出力より遅く、高頻度スイッチングには不向きです。接点の寿命(開閉回数)も考慮する必要があります。

アナログ出力

アナログ出力センサは検出距離や受光量の変化を電流(4~20mA)または電圧(0~10V)の連続値として出力します。ワーク位置の変化、受光量の変動、距離変化の監視などに使用されます。PLC側にアナログ入力モジュールが必要です。

よくある質問

光電センサのNPN出力とPNP出力はどう使い分けますか?

接続するPLC・シーケンサの入力仕様に合わせて、NPN出力またはPNP出力を選定します。一般に、NPN出力はプラスコモン入力、PNP出力はマイナスコモン入力のPLCと組み合わせます。実際の配線では、PLC入力回路、コモン配線、電源電圧、負荷電流を必ず確認してください

透過型・回帰反射型・拡散反射型はどう選べばよいですか?

長距離・高精度の安定検出が必要なら投受光器を対向させる透過型、配線を片側にまとめたい長~中距離はリフレクタを使う回帰反射型、センサ単体で省スペースに設置したい近距離は拡散反射型が目安です。透過型は0.1m~30m、回帰反射型は0.1m~10m、拡散反射型は数cm~1mが標準検出距離の目安です。

距離設定型(BGS)の背景抑制はどういう仕組みですか?

BGS(背景抑制)は三角測距の原理で反射光の受光位置から距離を求め、設定距離より遠い背景からの反射光を無視します。受光量の絶対値で判断する標準の拡散反射型と違い、背景の壁やフレームの反射による誤検知を抑えられます。

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