出力タイプを接続するPLCの入力形式に正しく合わせることが重要です。NPNはGNDへ電流を引き込むシンク出力、PNPは+電源から電流を流し出すソース出力です。電流の向き・配線・誤配線時の対処を以下にまとめます。
このページの目次
- NPN出力とは:シンク出力の仕組み
- PNP出力とは:ソース出力の仕組み
- NPN/PNP 配線比較表と具体的な配線方法
- 2線式センサの配線:シンプルだが注意点あり
- NPN/PNP選び方のポイント:使用するPLC・コントローラに合わせる
- NPN/PNPを間違えたときの対処法
- よくある質問(FAQ)
NPN出力とは:シンク出力の仕組み
NPN出力センサは、出力端子がセンサ内部のNPNトランジスタのコレクタに接続されています。センサが検出状態になるとトランジスタがONになり、出力端子がGND(0V)に接続された状態になります。
電流の流れ方:負荷(PLCの入力モジュール)→ センサ出力端子 → センサ内部トランジスタ → GND(0V)
つまり、センサは外部から流れてくる電流を「引き込む(シンク)」役割を果たします。そのため NPN 出力は「シンク出力」とも呼ばれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出力トランジスタ | NPN型 |
| ON時の出力端子電圧 | ほぼ 0V(GNDレベル) |
| 電流の向き | 外部(負荷側)からセンサに向かって流れ込む |
| 別称 | シンク出力・シンク電流型 |
| 主な使用地域 | 日本・韓国・中国など東アジアのFAシステムで主流 |
| 接続するPLC入力タイプ | COM端子が+電源側の入力回路(プラスコモン入力) |
※本記事では、PLC側のCOM端子が+V側の入力回路を「プラスコモン入力」、COM端子が0V側の入力回路を「マイナスコモン入力」として説明します。メーカーや資料によっては「ソース入力/シンク入力」という呼び方もありますが、呼び方の基準が異なる場合があるため、本記事ではCOM端子の接続先を基準に説明します。実際の配線では、必ず使用するPLC入力ユニットの回路図と仕様書を確認してください。
PNP出力とは:ソース出力の仕組み
PNP出力センサは、出力端子がセンサ内部のPNPトランジスタのコレクタに接続されています。センサが検出状態になるとトランジスタがONになり、出力端子が+電源(Vcc)に接続された状態になります。
電流の流れ方:電源(+Vcc)→ センサ出力端子 → 負荷(PLCの入力モジュール)→ GND(0V)
センサは電源から負荷側へ電流を「供給する(ソース)」役割を果たします。そのため PNP 出力は「ソース出力」とも呼ばれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出力トランジスタ | PNP型 |
| ON時の出力端子電圧 | ほぼ +Vcc(電源電圧レベル) |
| 電流の向き | センサから外部(負荷側)に向かって流れ出す |
| 別称 | ソース出力・ソース電流型 |
| 主な使用地域 | 欧米・ドイツ系FAシステムで主流 |
| 接続するPLC入力タイプ | COM端子がGND(0V)側の入力回路(マイナスコモン入力) |
NPN/PNP 配線比較表と具体的な配線方法
近接スイッチなどで一般的に用いられる3線式(茶・青・黒)の配線方法を以下に示します。IEC 60947-5-2(JIS C 8201-5-2)に基づくカラーコードですが、製品やメーカーによって異なる場合があるため、実際の配線では各製品の仕様書を確認してください。
| 線の色 | 役割 | NPN出力センサの接続先 | PNP出力センサの接続先 |
|---|---|---|---|
| 茶(ブラウン) | センサ電源+ | +Vcc(DC12~24V) | +Vcc(DC12~24V) |
| 青(ブルー) | センサ電源-(GND) | 0V(GND) | 0V(GND) |
| 黒(ブラック) | 出力信号線 | PLC入力端子(COM端子は+Vcc側) | PLC入力端子(COM端子はGND側) |
3線式NPN出力センサの配線図(テキスト図解)
NPN出力(シンク出力)3線式接続
DC電源(+24V) ─┬─────────────── 茶(+Vcc) → センサ電源+
│
├─ PLC-COM端子(+24V側に接続)
│
└─ PLC入力端子 ←─── 黒(出力) ← センサ出力端子
(センサ内部でGNDに接続)
DC電源(0V/GND) ────────────── 青(GND) → センサ電源-
電流の流れ:+24V → PLC-COM → PLC入力端子 → センサ出力端子(黒) → センサ内NPN-Tr → GND(青)→ 電源0V
3線式PNP出力センサの配線図(テキスト図解)
PNP出力(ソース出力)3線式接続
DC電源(+24V) ─┬─────────────── 茶(+Vcc) → センサ電源+
│
└─ センサ出力端子 ────── 黒(出力) → PLC入力端子
(センサ内部で+Vccに接続) │
PLC-COM端子(GND側)
DC電源(0V/GND) ───────────────────────── 青(GND) → センサ電源-
電流の流れ:+24V → センサ内PNP-Tr → センサ出力端子(黒) → PLC入力端子 → PLC-COM → GND → 電源0V
2線式センサの配線:シンプルだが注意点あり
2線式センサは電源線と信号線を兼ねた2本のケーブルで動作するシンプルな構造です。センサ本体が電源ラインに直列に挿入され、ON時は低インピーダンス(導通して負荷電流が流れる)、OFF時は高インピーダンス(遮断に近い状態となり、わずかな漏れ電流のみが流れる)状態になります。
2線式センサの接続方法
| 線の色 | 役割 | NPN(シンク出力)2線式の接続 |
|---|---|---|
| 茶(ブラウン) | 電源兼出力+ | PLC入力端子 |
| 青(ブルー) | 電源兼出力- | GND(0V) |
2線式センサの漏れ電流(リーク電流)に注意
2線式センサはOFF状態でもセンサ自身の動作に必要な微小電流(漏れ電流)が回路に流れています。一般的な漏れ電流は0.5~2mA程度です。PLCの入力モジュールによっては、この漏れ電流が「ON」と誤認識されることがあります(入力のOFF→ONのしきい値電流が低い場合)。対策としてはブリーダー抵抗をPLC入力端子とCOM端子間、またはPLCメーカーが指定する位置に接続する方法があります。
注意:PLCとの接続で漏れ電流が問題になるケース
たとえば、2線式センサの漏れ電流がPLC入力のOFF条件を上回る場合、誤ON検出が発生することがあります。カタログの「残留電流(オフ時の漏れ電流)」と、接続するPLCの「最大OFF電流」「最大OFF電圧」などの入力仕様を比較して確認してください。
NPN/PNP選び方のポイント:使用するPLC・コントローラに合わせる
どちらの出力タイプを選ぶかは、接続するPLCや制御機器の入力回路とCOM端子の接続先に合わせて決めます。センサ側で出力タイプを合わせるのが基本です。
| PLCメーカー | 入力仕様の確認ポイント | 接続するセンサ出力 |
|---|---|---|
| 三菱電機 | プラスコモン/マイナスコモン/共用タイプなど、入力ユニットごとの仕様を確認 | COM端子が+V側ならNPN出力、0V側ならPNP出力 |
| OMRON | プラスコモン/マイナスコモン接続や、NPN専用・PNP専用・NPN/PNP共用タイプなど、入力ユニットごとの仕様を確認 | COM端子の接続先と入力ユニット仕様に合わせてNPN出力またはPNP出力を選定 |
| キーエンス | COM端子の接続先と入力ユニット仕様を確認 | COM端子の接続先と入力ユニット仕様に合わせてNPN出力またはPNP出力を選定 |
| Siemens(欧州系) | ソース入力/シンク入力/両対応の入力モジュールなど入力モジュールの仕様を確認 | 入力仕様に合わせてPNP出力またはNPN出力を選定 |
PLC・制御機器の入力仕様は、同一メーカーでもCPU内蔵入力、増設入力ユニット、型式、地域仕様によって異なります。メーカー名だけで判断せず、必ず対象機種の入力回路図とCOM端子の接続先を確認してください。
接続確認の手順
PLCの入力モジュール仕様書で「コモン(COM)端子の接続先」を確認してください。COM端子が+24V側ならNPN(シンク出力)センサを、COM端子がGND側ならPNP(ソース出力)センサを選びます。判断に迷う場合はPLCメーカーの技術サポートへ確認することを推奨します。
NPN/PNPを間違えたときの対処法
NPN/PNPを取り違えた場合のリスク
出力タイプを間違えて接続しても、多くの場合はセンサが正常に動作せず、「センサのLEDは点灯するがPLCが入力を認識しない」「センサのLEDが常時点灯したままになる」などの現象が発生します。直ちに破損には至らないことが多いものの、誤配線の状態や保護回路の有無によっては、出力トランジスタが破損する可能性があります。
注意:誤配線保護・逆接保護のない機種は破損する場合があります
誤配線などにより出力端子へ想定外の電圧が加わると、保護回路のない機種では出力トランジスタが短絡破損することがあります。配線前に必ずカタログで「逆接保護」「誤配線保護」の有無を確認してください。
切替可能タイプ(NPN/PNP切替スイッチ付き)の活用
センサメーカー各社から「NPN/PNP切替スイッチ付き」センサが販売されています。これは1台でNPN/PNP両方に対応できるため、PLCの種類が混在する設備や将来の設備変更に備えたい場合に便利です。ただし一般的に同仕様のNPN専用品またはPNP専用品より価格が高めです。また切替スイッチの設定を間違えないよう、設置後に確認してください。
なお、製品によっては切替スイッチではなく、配線やパラメータ設定によってNPN/PNPを切り替えるタイプもあります。実際の切替方法は、各製品の仕様書を確認してください。
NPN/PNPを取り違えた場合は、切替スイッチ付きセンサへの交換のほか、信号変換器の使用やPLC入力モジュールの変更で対処できる場合があります。
| 対策 | 内容 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| NPN/PNP切替スイッチ付きセンサへ交換 | スイッチ操作で出力タイプを変更 | 1台で両対応・設備変更に柔軟 | コスト増・設定ミスに注意 |
| 変換アダプタ(信号変換器)使用 | NPN→PNP変換モジュールを配線途中に挿入 | センサ交換不要で対応可能 | スペース・コストが追加発生 |
| PLCの入力モジュール変更 | PLC側の入力ユニットをセンサ出力に合わせる | 入力仕様をセンサに合わせられる | PLCモジュール交換コスト・工数が発生 |