無給油ブッシュにモーメント荷重をかけて使用してはならない。無給油ブッシュに加える荷重は軸受け面に対し並進力のみである。無給油ブッシュにモーメント荷重をかけた場合、無給油ブッシュと軸と接触する端部に過大な力が加わることになる。この部分が接触状態となり接触面積が極端に小さくなった結果、モーメント荷重が加わり、発生する応力が許容の値を超えてかじり現象が発生、焼き付きが起きることになる。この一連のメカニズムは定性的には説明できるが、定量的に示すことは難しい。
図1は無給油ブッシュのモーメント力が加わった図を示している。
図1.無給油ブッシュとモーメント力の力学
一本のガイドに一個の無給油ブッシュが組み付けられており、重心位置に力(F1)が加わる。
重心に加わった力なのでモーメント力は発生しないが、無給油ブッシュによって軸を拘束している関係上、図1に示す軸受中心にモーメント力が加わることになる。従って、この並進力(F1)によって無給油ブッシュのホルダーを含むバーには重心位置に並進力(F1)とモーメント力(F1×L1)が加わる。問題となるのは、このモーメント力で無給油ブッシュを回転させた場合、無給油ブッシュの両端に図に示す力(F2)が生じる。結果、この現象によるモーメントの釣り合い方程式は下記となる。
F1×L1=F2×L2 F2=F1×L1÷L2
このモーメントにより発生する力(F2)で、無給油ブッシュと軸の接する部分は、無給油ブッシュの両端となる。
またこの面積は接触問題となり、接触面積は極めて小さい。ここにF2が加わり、接触面積をSとすると、応力は下記となる。
σ=F2/s
Sが小さいため、応力は大きな値となる。結果、この応力が許容値を超え、かじり現象が起きて破損する。従って、無給油ブッシュを使用する場合、モーメント力を加えない図2に示す構造で、使用しなければならない。
図2.無給油ブッシュと並進力の力学
図2の構造は重心位置を対象に両側に無給油ブッシュによる案内が配置されており、バーにはモーメント力は生じず、結果図1に示すF2が発生することは無い。
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